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12月6日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月6日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「科学ではなく意地と利権 止められないGoTo“狂乱”の行く末」

 臨時国会が5日閉幕することを受け、菅首相が4日夕、記者会見に臨んだ。新型コロナウイルスの感染拡大で国民の間に不安が広がっても、かたくなに会見を開こうとはせず、正式な会見は9月の就任時以来。何を話すのかと注目していたら、あまりに拍子抜けのスカスカ会見だった。

 プロンプター(原稿映写機)を使わなかった点は安倍政権を継承していなかったが、用意された原稿棒読みは前政権と変わらず、冒頭およそ18分間にわたって原稿をボソボソ読み上げても心に残る内容は皆無だった。

 「プロンプターを使わない分、ひたすら下を向いて原稿を読むだけで、国民に語りかける姿勢がまったく感じられませんでした。このコロナ禍を乗り切るために、前を向いて力強い政策を打ち出して欲しいのに、国民に勇気や希望を与えるリーダーとしての資質がまったくない。新型コロナに関しての言及も少なく、国民の不安なんて知ったことかと開き直っている感じすらありました。携帯料金の値下げやデジタル庁など自身の肝いり政策についてだけは、とうとうと語っていましたが、国民がいま一番聞きたいのはコロナ対策についてです。どうやって感染拡大を食い止めるのか。その具体策がまったくない。『国民のために働く』という言葉がむなしく響くばかりです」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 赤羽国交相は4日の会見で、来年1月末をメドにしていた「Go To トラベル」事業の延長について初めて明言。「制度を段階的に見直しながら(来年)6月末までとすることを基本の想定とする」と言っていた。8日に閣議決定する経済対策に具体策を盛り込むという。

 「この期に及んでGo Toに邁進とは、コロナ感染の火が燃え広がっているのに、水ではなくホースでガソリンをまこうとしているようなものです。首相会見の最後に海外メディアの記者が『二階俊博幹事長が全国旅行業協会の会長だから、他の業界に比べて旅行業界を優遇しているのではないか』と質問していましたが、まさにそういうことで、観光地対策というより自民党の利権を優先しているのでしょう。それでGo Toを強行して感染拡大が進み、医療崩壊が起きたら経済の立て直しどころではなくなるのに、感染が広がるか止まるかは“神のみぞ知る”のギャンブル的な発想で、世紀の愚策を強権的に進めている。国民が実験材料にされているのです。命や健康に関わる局面でイチかバチかは、とても責任ある政府の対応とは言えません」(五十嵐仁氏=前出) 

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