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3月15日(月) 最後の自公政権 菅政権を斬る [論攷]

〔以下の論攷は、日本科学者会議東京支部の『個人会員ニュース』No.128、2021年3月10日発行、に掲載されたものです。〕

 国会での審議を見ていて既視感を覚えました。いつか見た光景が繰り返されているからです。首相の長男・菅正剛氏による総務省の高級官僚への接待疑惑の問題です。
 首相の近親者に関わる忖度ということでは森友・加計学園問題と似通っています。国会で嘘を言いばれてしまったという点では「桜を見る会」前夜祭の会費問題と同様です。接待を受けていたのは13人にも上り、倫理規定違反の巨大汚職事件に発展しつつあります。
 政府のコロナ対策が迷走を重ね、頼みの緊急事態宣言も1カ月間延長せざるを得ませんでした。これで何とか感染を抑えられるかと見られた2月初めに明るみ出たのが、この総務官僚への違法接待疑惑でした。ここまで腐ってしまったのか、と暗澹たる思いがします。
 それに東京五輪組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言による辞職と後継者選びの混乱が続きました。この問題は性差別への批判だけでなく、異論を排除して密室で物事を決めていく自民党的な組織文化への拒否という点でも画期的です。古い政治のあり方が通用しなくなり、納得できなければ声を上げる新しい政治文化が芽生えてきているからです。
 白須賀貴樹衆院議員が高級ラウンジで飲食していたことも発覚して自民党を離党しました。そのほか、農相在任中に鶏卵業者から現金を受け取った疑いでの吉川貴盛元農水相の起訴と議員辞職、農水省幹部の処分、「桜」疑惑での安倍首相の事情聴取と秘書の立件、学術会議会員の任命拒否事件、河井案里参院議員の公職選挙法違反有罪での辞職、おまけに愛知県知事リコールでの署名偽造などと不祥事だらけです。
 ようやく、コロナ対策の切り札として期待されたワクチンの接種が始まりました。しかし、供給は不安定で東京五輪までに全国民に摂取できる見通しはありません。このまま五輪を開催することは許されず、早期に中止を決めて感染対策に全力を注ぐべきです。
 菅政権はもはや統治能力を失っています。この政権では国民のいのちと健康、暮らしと営業を守り、政治と行政への信頼を取り戻すことは不可能です。秋までには必ず実施される総選挙と7月の都議選で菅政権に引導を渡して政治を転換しなければなりません。
 今年は、政権交代が起きた2009年と似通っています。09年も9月に衆院議員の任期満了が迫り、7月の都議選で自民党が大敗し、8月の総選挙で自民党は300議席から119議席への歴史的惨敗で、初めて第1党の座を失いました。しかも、09年以上に政権運営は行き詰まり、野党共闘に共産党が加わって市民との連携も強まっています。
 都議選で自公勢力に打撃を与え解散・総選挙に追い込んでいくことができれば、政権交代を実現できます。そのためには、共産党を含めた政権合意を実現し、本気の共闘による明確な「受け皿」を提示しなければなりません。
 そして、菅政権を最後の自公政権としようではありませんか。時代遅れの政権は、もう「時効」なのですから。

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