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6月13日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月13日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「大臣もテレビ観戦推奨とは 残骸になる巨額五輪施設の虚無」

 2013年の招致時の「立候補ファイル」では東日本大震災からの復興がアピール材料に使われたが、いまや「人類がコロナに打ち勝った証し」へとスローガンは一変し、「復興五輪」は風前のともしび。海外客の来日がないので「経済効果」も期待できない。

 結局、残る目的は、莫大な放映権料などIOCの利権と菅の政治的野望。五輪が始まれば盛り上がる、メダルラッシュなら政権浮揚につながる、という魂胆だ。東京でやる意義が消失し、開催だけが目的化しているから、東京でやっているのにテレビで見ればいいとなる。

 田村の発言で「スガ五輪」のバカバカしさが、ますます浮き彫りになった。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「田村大臣のPV中止に理解を示す発言は、いま東京で五輪を開催すれば、国民の命を危険にさらすリスクが高まるということを認めたようなものでもあります。人命を犠牲にする五輪を開催する意義など、どんな理屈をひねり出そうが説明がつきません。ましてや菅首相の頭の中にあるのは、政権延命や総選挙を有利に進めるためなど邪な目的だから、国民世論に対し口にできるわけがないのです」

 メインスタジアムとなる「新国立競技場」はまさにその象徴だ。計画が二転三転した、いわくつき。1300億円だったはずの建設費が2倍以上に膨らむと分かり、奇抜なデザインだったザハ・ハディド案が白紙撤回。ズサンな見積もりの責任問題を醜悪に押し付け合った末、設計変更となった。完成した競技場も屋根が木材だから消防法により聖火台を常設できない“欠陥”建築だ。

 そのうえ、開会式を迎えたとしても、競技場が満員の観客で賑わうことはない。五輪が終われば、巨大な残骸。競技場は墓碑銘のごとく、である。

 「招致段階から買収疑惑を含め、嘘とデタラメで塗り固められてきた。国立競技場の設計変更だけでなく、エンブレムの盗作、組織委員会トップの女性蔑視発言など、直前までゴタゴタ続きです。強行すれば人流が増え感染が増えるのも明らかで、壊滅覚悟の『バンザイ突撃』。こんな五輪はやるべきではなかった、と総括されるのが目に見えます」(五十嵐仁氏=前出)

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