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7月1日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月1日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「この期に及んで「検討中」 恐怖の五輪開催カウントダウン」

 29日の東京都の新型コロナ新規感染者数は476人で、10日連続で前週同曜日を上回った。感染爆発レベルの「ステージ4」は目前である。神奈川や千葉の感染状況も悪化している。政府内でも「五輪は無観客開催しかない」という意見が出ているという。

 「リバウンドは誰の目にも明らかで、感染者はこれからもっと増える。五輪開会式までに収束すると予測している専門家はいません。この状況で五輪開催に突っ込んでいくなんて無謀としか言いようがない。たとえ無観客でも、五輪が始まれば選手や関係者など数万人が入国して人流も活発になり、ますます感染が拡大するのは明らかです。五輪は中止するしかない。それを決断するのが政治の役割です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 28日に立憲民主党が国会内で開いたヒアリングでは、五輪のため来日した選手や関係者で新型コロナ感染が明らかになったのはウガンダ選手団だけではないことが明らかになった。

 内閣官房によると、2月にフランス1人、4月にエジプト1人、5月にスリランカ1人、6月にガーナ1人が確認されていたという。そういう事実関係がなぜ今になって明かされるのか。中止の世論が盛り上がることを恐れたからか。厳格な14日間隔離など水際対策を強化する議論はなかったのか。

 ヒアリングで政府の担当者は、「どのような改善策があり得るか、厚労省と検討を進めている」と話していた。ここでもまた「検討」だ。

 「この後に及んで検討している場合なのか」と、前出の五十嵐仁氏はこう言う。

 「競技によってはクラスターが発生して中止になるものもあるかもしれない。ただでさえ酷暑の東京で、ワクチン接種が進んでいない日本では観戦時もマスクを外せず、熱中症の危険性も高まります。小中学校の児童・生徒が観戦する学校連携観戦は“令和の学徒動員”とも言われていますが、保護者から懸念の声が続出し、参加の中止や検討が相次いでいる。五輪強行は菅首相の賭けだと言われますが、国民の命を賭けたバクチには到底、賛同できません。常に中止のオプションを用意しておかないと、国民の安全は守れない。五輪を契機に東京発の変異株が世界に広がれば、国際社会から非難される可能性もある。神頼みでは困るのです」

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