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7月17日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月17日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「「西村暴言」は政府ぐるみ 問われる菅首相の人間性」

 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を発令、延長、解除するたび、野党に国会説明を求められても、ほとんど西村任せ。「しゃべれない首相」の代弁者として矢面に立たせ続けた。

 散々便利づかいした部下が窮地に立つと、かばうでもなく責任を押しつける。西村と担当省庁を“主犯格”にし、トンズラを図るとは「首相の器」ウンヌン以前に人として失格だろう。西村を擁護する気はサラサラないが、こんな上司は絶対に願い下げだ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「菅首相の政治手法は『冷酷』のひと言に尽きます。初入閣となった総務相時代から、自分に意見した官僚をあっさり飛ばす強権志向の持ち主です。左遷人事を自慢話として自著で紹介する異様な感覚は官房長官時代にエスカレート。人事権をカサに着た恐怖支配で官僚を怒鳴り散らし、霞が関を掌握。意に沿わないメディアにも裏で手を回して脅しをかけた。首相の座を射止めると、ドーカツ政治にますます拍車がかかり、日本学術会議の任命拒否問題以降、コロナ対策も東京五輪強行も丁寧な説明を拒み、全てが力ずく。あらゆる“北風政策”が菅首相のパーソナリティーに基づいており、今回の酒提供店への圧力で、その限界がいよいよ露呈したと言えます」

 昨年の総裁選で菅応援団は河井克行元法相、菅原一秀前経産相、吉川貴盛元農相など「政治とカネ」で議員辞職に追い込まれた面々だらけ。もともとロクでもない人脈とはいえ、不祥事が表ざたになると菅は3人と距離を置いた。接待スキャンダルが炸裂すれば、子飼いの総務官僚も自分の息子も守らない。自己保身に走る冷淡さが「菅軍団」の雲散霧消に一役買ったのは間違いない。

 「『どうせ意見しても』と諦めの空気が充満し、政権内部の風通しの悪さは容易に想像がつきます。もはや首相の耳にはロクに情報が入らず、助けてくれる真の側近もいない。その末路が代替案なき締め付け一本やりです。力任せの恐怖政治が招いた自業自得で、今や菅首相は裸の王様です」(五十嵐仁氏=前出)

 菅が周囲に「やれば必ず盛り上がる」と漏らした五輪の開幕まで、あと1週間。その最後の賭けにも敗れ、裸の王様は国民から石もて追われるのではないか。

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