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8月25日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』8月25日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「国民不在、利害だけ まだ続く安倍・麻生・菅談合政治の醜悪」

 横浜市長選の“争点”は、まぎれもなく菅政権のコロナ対策だった。有権者はハッキリとノーを突きつけた形だ。

 「有権者の投票行動は以前とは一変している。自民党議員は真っ青になっているはずです」と、法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「大きく変わったのは、投票率です。前回(37・21%)を11・84ポイントも上回り49・05%に跳ね上がった。期日前投票は40%以上増加し過去最多でした。無党派層が『絶対に一票を投じてやる』と投票所に大挙したのでしょう。これまでは、どんなに自民党が失政と悪政をつづけても『自民党も嫌だけど、野党も期待できないしな』と、棄権する人が多かった。しかし、有権者の意識は『菅政権にはウンザリだ』『もう黙っていられない』と、大きく変わったということです。さらに、自民党支持層の17%が、野党候補の山中さんに投票していた。自民党支持層も愛想を尽かしている。さすがに自民党議員も、この投票行動の変化には焦っているはずです」

 横浜市長選でよく分かったことは、野党がひとつにまとまれば、十分、自民党と戦えるということだ。市長選は、立憲が推薦、社民が支援、共産も自主的支援に回り、連合も推薦と、一本化が成功した。市長選を仕切った立憲の江田憲司代表代行は「いい受け皿があれば、自民党は恐るるに足らないということだ」と総括し、安住国対委員長も「野党が大きな固まりになれば、地滑り的な勝利を起こすことは立証できた」とコメントしている。4月に行われた衆参3つの国政選挙も、野党の一本化により、全勝を果たしている。

 野党がバラバラに戦った2017年衆院選の小選挙区は、与党系222、野党系61と与党に惨敗したが、自公が大勝したあの選挙でさえ、もし、野党が一本化していれば、63選挙区で逆転していた。共闘体制が整い、投票率が上がれば、野党に勝機はある。政権交代も決して不可能ではない。心ある国民は、8年間の自公政権にウンザリしているから、なおさらである。

 「横浜市長選の争点は、菅政権のコロナ対策でした。でも、有権者が野党候補を圧勝させたのは、コロナ対策に象徴される、自民党政治そのものに嫌気が差したからだと思います。国民に説明しない、間違っても謝らない、責任を取らない……という、アベスガ政権の本質が、コロナ対策によく表れている。国民に寄り添う気持ちがまったく見えない。しかも“五輪が始まれば空気は変わる”と国民をバカにし、“どうせすぐに国民は忘れる”とみくびっている。そうした態度そのものが、国民の神経を逆なでしている。実際、東京オリンピックが開催されても菅政権の支持率は上がっていません。菅政権は、ワクチンの接種が進み、感染者が減れば、支持率は急上昇すると皮算用しているようですが、もはや感染者が減っても支持率は上がらないでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

 一般の国民は、自民党総裁選に一票は投じられないが、衆院選は一票を行使できる。その時を楽しみに待つしかない。

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