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9月14日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』9月14日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「総裁選の主張に絶句 むき出しになった正体に国民は唖然」

 そして、完全に馬脚を現したといっていいのが、「異端児」「改革派」と評されてきた河野だ。3・11以前から「脱原発」を持論としていたが、2015年の初入閣と同時に封印し、ブログの内容も削除。出馬表明会見で変節ぶりを突っ込まれると、「安全が確認された原発を当面は再稼働するのが現実的」「いずれ原子力はゼロになる」とゴマカした。女系天皇容認も撤回。防衛相だった昨夏の会見で、「現皇室で男系を維持していくには、かなりのリスクがあると言わざるを得ない」と言っていたのに、女性・女系天皇の検討先送りを決めている政府有識者会議の議論を尊重するとした。保守層へ露骨なゴマすりだ。

 河野政権が誕生したら「国がメチャクチャになる」とケチをつけていたという安倍の元に参じて、「ご懸念には及びません」と断りを入れる抜け目のなさもみせた。初めて総裁選に手を挙げた2009年とはまるで別人である。自民党が下野した直後で、当時のキングメーカーだった森元首相を「派閥のあしき勢力」とののしり、「森喜朗さんに派閥を解消すべきだと言って解消するか。絶対しない。しかし、河野総裁のもとで派閥の果たす役割はなにもない」と言ってのけていた。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。

 「安倍・菅政権の9年間で自民党は変質してしまった。安倍1強支配の構造が仕組みとして出来上がり、最大派閥の細田派を実質支配する安倍前首相の支持なしには総裁選で勝てないことが『ポスト菅』をうかがう面々の動きで浮き彫りになりました。安倍前首相に恭順の意を示さないと、居場所を失いかねないほど自民党のアベ化は進んでいる。岸田、河野両氏が『らしさ』を失ったのは内向きの論理に迎合したからです。安倍直系の高市さんは、まさに『女性版・安倍晋三』。元気いっぱい、自信満々に振る舞っている点から見ても、自民党は極右勢力に乗っ取られていると言っていい」

 物言えば唇寒しでは、具体的な指示が下りてこない限り、官僚は動こうとしない。その結果、コロナ対策の多くが現場に届かない事態を招いているのだ。

 「3人の誰が勝っても、“同じアベノムジナ”。アベという毒が全身に回った自民党を政権から引きずり降ろさなければ、政治が国民生活を顧みることはないでしょう。総裁選の行方を判断材料にし、その先に控える衆院選で審判を下すほかありません」(五十嵐仁氏=前出)

 この先2週間は続くサル山のボス争いは、オンボロ自民党の見本市。ようやく終わりの始まりだ。


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