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10月12日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』10月12日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「騙されてはいけない 岸田の分配は「今だけ」「口だけ」」

 大企業が貯め込む内部留保を吐き出せ、従業員の給与に回せ、と迫られていれば蜜月なんてあり得ない。分配の財源に掲げる株式売却益などの金融所得課税強化も、岸田はあっさり先送り。10日に出演したフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」で、「民間企業の従業員の給料の引き上げを考え、看護・介護・保育といった、国が主導して決められる賃金も引き上げていく。こういったことが先で、当面は金融所得課税について触ることは考えていない」と封印。「すぐやるのではないかという誤解が広がっている。しっかり解消しないと関係者に余計な不安を与えてしまう」と釈明したが、株価暴落の「岸田ショック」にオロオロして引っ込めたのはミエミエだ。

 来る総選挙では口利きワイロ疑惑が再燃中の甘利幹事長が陣頭指揮を執り、ウルトラ右翼ムキ出しの高市政調会長がまとめた公約で戦うというのも何をかいわんや。甘利は大臣室で現ナマを受け取った経済再生相時代、関税自主権を失う売国的なTPP締結に奔走。高市はアベノミクスを焼き直したサナエノミクスを主張している。

 新自由主義の信奉者に気持ちの入った弱者への目配りが期待できるわけがない。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。

 「岸田首相の所信表明演説の実質は『3ナイ演説』。過去の自民党政治に対する反省がない、問題に正面から向き合う覚悟がない、政策に具体性がない。総裁選を勝ち抜くため、『新自由主義からの決別』をブチ上げるなど大風呂敷を広げたものの、どんどん後退しています。要するに、これまでの発言の多くがまき餌だったのでしょう。コーティングされ、当初は見栄えの良かった岸田政権の実態が日を追うごとに明らかになってきています。宏池会の看板である『軽武装・経済重視』のイメージが先行していますが、安倍・菅路線の継承が地金。政権をブン投げた元首相が背後霊のようにまとわりついている政権なのです」


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