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10月15日(金) 野党分断を狙った新たな反共攻撃 [論攷]

 〔以下の論攷は、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟の機関紙『不屈』No.568、2021年
10月15日付、に掲載されたものです。〕

 9月10日放送のTBS系番組「ひるおび!」で、矢代英輝弁護士が共産党は「まだ暴力的な革命を党の要綱として廃止していない」と発言し、大きな批判を招きました。これについて矢代氏は13日と17日の二度にわたって謝罪し、「ご指摘の通り、現在の、共産党の党綱領にはそのような記載は存しません。選挙を間近に控えたデリケートなこの時期に、私の発言により多くの関係者の皆様方に多大なご迷惑をお掛けしたことを深くおわび申し上げます」と謝罪しています。
 この矢代氏の再度の謝罪を受け、共産党の志位和夫委員長はツイッターを更新して八代氏の発言を引用した上で「謝罪・訂正したものと受け止めます」と投稿しました。

 反共主義に基づくデマ発言

 矢代氏の発言は典型的な反共主義に基づく虚言(デマ発言)です。その根拠とされた「要綱(綱領)」には、「現在」だけでなく「過去」においても「暴力的な革命」をめざすような記述はありません。つまり、根拠なしの誹謗・中傷だったのです。だからこそ、一方的な謝罪という形になりました。
 また、矢代氏の「謝罪」が二度に渡ったのは、最初の謝罪の際、矢代氏が「私の認識は閣議決定された政府見解に基づいたものでした」などと開き直り、それが新たな批判を招いたからです。これに悪乗りする形で、加藤勝信官房長官が「政府の認識は何ら変更するものではない」などとアシストしました。
 しかし、破壊活動防止法に基づいて共産党を監視対象にしている公安調査庁は、過去70年近くの間、破壊活動を裏付けるような証拠を一切示すことができませんでした。公安調査庁や政府の答弁書の根拠の一つにされてきた「敵の出方論」についても、共産党の志位和夫委員長は9月8日の中央委員会総会で「どんな場合でも平和的、合法的に社会変革事業を進める立場だった」と強調し、「ねじ曲げた悪宣伝に使われる。この表現は使わないことを明確にしたい」と述べています。

 正々堂々とした政権交代で反撃を

 矢代発言によって共産党の綱領に注目が集まり、暴力革命否定の立場がより明確に理解される結果になりました。また、野党国対委員長会談で共産党の立場を支えることが確認され結束が強まるなど、反共攻撃を加えた側にとってはかえって逆効果になったと言えます。
 矢代氏のデマ発言や総裁選をめぐる「狂騒曲」のように、菅首相の退陣という危機に陥った支配勢力は必死の巻き返しを図っています。事実に基づかないデマやそれに便乗した反共攻撃はこれからも繰り返されるでしょう。どのような攻撃や巻き返しがあっても結束を緩めず、跳ね返せるような体制の構築が求められています。
 デマに対する最善の反撃は事実を示すことです。腹を固めて市民と野党の共闘を強め、総選挙に勝利しようではありませんか。暴力とは無縁の正々堂々とした手段によって「平和的、合法的に」政権を獲得し、「社会変革事業を進める」ことこそ、矢代発言の誤りを正し最も効果的な鉄槌となるにちがいないのですから。

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