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10月28日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』10月28日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「選挙直前怪情報の真偽 小沢一郎と中村喜四郎は劣勢なのか」

 安倍・菅政治からの転換はそぶりだけ

 衆院選の前哨戦に位置付けられ、岸田政権初の国政選挙だった先日の参院静岡と山口の両補選は自民がマサカの1勝1敗。いずれももともとは自民の議席で、余裕の戦いだったはずが、静岡はドンデン返しで敗北。無党派層の7割が野党系候補を支持した。告示日と終盤の2度も静岡入りして異例のテコ入れを図った岸田が「選挙の顔」にならないことを裏付けた戦いだった。6月の県知事選で自民公認候補を大差で下して4選した川勝知事が野党系候補を全面支援した効果はもちろん無視できないものの、反自民の受け皿が整えば、有権者は動くことが証明されたが、総選挙は最後までわからない。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「この9年で目の当たりにさせられた民主主義の破壊、政治とカネの問題、政治行政の私物化。4年ぶりの総選挙で自公政権への審判をキッチリと下さなければなりません。長期的には安倍元首相独特の政治の歪み、強権的支配、国家私物化をどう評価するのか。岸田政権でもゾンビのごとく蘇ったアベノミクスは国民生活を豊かにしたのか。もちろん答えは否で、厳しく点検しなければなりません。中期的には、楽観バイアスにとりつかれた菅政権のコロナ失策。東京五輪を強行したことで過去に経験したことのない感染拡大の第5波を招き、医療提供体制を崩壊させ、入院できずに自宅で亡くなる患者が相次ぎました。短期的には岸田政権のありようです。国民の7割近くが決別を望む安倍・菅政治から転換するそぶりを見せながら、実態は3A(安倍、麻生前財務相、甘利幹事長)の跳梁跋扈を許している」

 モリカケ桜疑惑、参院広島選挙区買収事件と党本部が提供した1・5億円の使途、総務省接待汚職、日本学術会議の任命拒否問題、度重なるコロナ失策。甘利の口利きワイロ疑惑も解明されていない。政権に近いオトモダチと国家を私物化し、物言う科学者をパージし、国民の命も健康も暮らしも危うくする。とてもお天道様の下を歩けないようなヤカラがのさばり、あるいはたやすく復権し、全国を飛び回っている。下野して蟄居が当然の自公政権の9年間なのを忘れてはいけない。

 「自民党は4月の衆参3選挙で全敗。与野党対決となった山形、千葉、静岡の各知事選でも敗北。7月の都議選でも歴史的な負け方をし、菅前首相のお膝元で実施された8月の横浜市長選で惨敗した。そして先週末の参院静岡補選です。自民党の退潮は明らかです。ここで自公政権を甘やかせば、失政はさらに拡大増幅しかねない」(五十嵐仁氏=前出)

 国民は常にないがしろの自公政権の継続を許すのか。国民の暮らしに目を向けるマトモな政治を取り戻すのか。この総選挙は紛れもない天下分け目の戦いだ。

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