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11月25日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』11月25日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「自社、自公政権の自民党が「立憲共産党」を揶揄する笑止」

 そもそも連立合意する以前の1990年代、自公は与野党に分かれて罵り合っていた。自民は「政教一致批判」で創価学会の池田大作名誉会長の証人喚問まで要求、公明にとって自民は「仏敵」だったのだ。

 もっと言えば、自民は55年体制で長年対立してきた社会党(現・社民党)とすら手を組んだ。93年に誕生した8党派連立の非自民政権から社会党と新党さきがけが離脱すると、自民は水面下で、当時の村山富市・社会党委員長を首班に担ぐことを画策、94年に自社さ連立政権を樹立した。

 社会党は憲法9条を守る「護憲」が金看板。日米安保は反対が党是、「自衛隊は違憲」と主張してきた政党だ。しかし、連立発足と同時に社会党はそれらをかなぐり捨て、一方で自民は、先の大戦を「侵略戦争」とすることを受け入れたのだった。

 憲法、安保、自衛隊、歴史認識まで全く違うのに、選挙で有権者の審判を得ることなく成立させた政権こそ、野合と言わずして何と言うのか。

■「恩讐を乗り越えて」というゴマカシ

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう話す。

 「自社さ政権は当面の政策をどうするのかを事前に明らかにしないまま発足したため、村山首相が国会で、日米安保や自衛隊などに関してそれまでとは百八十度異なる答弁をすると大混乱になりました。それに比べれば、野党共闘は市民連合を介して6項目の政策合意をしていますし、共産党は当面は安保の廃棄を求めず、自衛隊の解散も求めないことを明確にしています。自社さより、よほどきちんと準備できていたじゃないですか。政党が違うのですから理念や政策が全部一致することはない。立憲と共産の共闘は、合意できるところと、違うところをもっとハッキリさせ、もっと説明すべきだったというのが反省点です」

 村山首班による自社さ連立を水面下で主導した亀井静香元衆院議員は後に、「自社さ政権は、最大野党だった自民党が、連立を離脱した社会党と組むウルトラCを考えた結果だった。自民党が政権復帰するために使える手をなんでも使うという執念から生まれたのだ」と明かしている。

 政策の一致など眼中になく、すべては、ただただ与党に戻りたいだけ。そんな自民党が「立憲共産党」と揶揄するのは笑止千万だ。自社さ政権や自公政権の成り立ちをメディアも忘れたとは言わせない。

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