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2月11日(金) 『しんぶん赤旗』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『しんぶん赤旗』2月11日付に掲載されたものです。〕

 シリーズ維新の会 その実像は
 自公の悪政 右からけん引
 軍拡・改憲・歴史修正主義…

 「戦争する国」づくりの問題をめぐっては、自公政権以上に〝右翼的立場〟から悪政をけん引する役割を果たしています。

 敵基地攻撃

 特徴としてあらわれているのが軍拡です。維新は、基本政策に「領域内阻止能力(敵基地攻撃能力)の構築について、積極的な検討を進める」と明記。加えて「防衛費のGDP(国内総生産)1%枠を撤廃し、テロやサイバー・宇宙空間への防衛体制を更に強化する」と主張するなど際限ない軍拡路線をむき出しにしています。
 馬場氏は、国会やテレビ番組でも「もはや台湾有事は『いつ起きるか』という次元」(1月20日の衆院本会議)と危機感をあおり、「抑止力として反撃する能力をもつことは絶対に必要だ」(1月9日のNHK「日曜討論」)と公言。「台湾有事は日本有事、すなわち日米同盟の危機に直結する」などと安倍晋三元首相と同様のフレーズを振りかざしながら、相手を殲滅(せんめつ)する全面戦争に道を開こうとしています。
 五十嵐仁法政大学名誉教授は、「維新は『現状打破』『改革姿勢』をアピールすることで補完勢力としての本質を隠しています。その危険性は翼賛体制を引っ張り、誤った方向へ世論を誘導していく『けん引役』です」と指摘。「北朝鮮のミサイル実験や米朝対立を背景にした台湾有事の危険性などが指摘される中で、国民に安全保障への不安が広がっています。維新はこうした不安に乗ずる形でさらに危機感をあおり、戦争へ結びつく危険な道に国民を誘導しています」と強調しました。

 憲法審要求

 憲法審査会をめぐっては、自民党中心の「与党側」の幹事懇談会に、維新も参加し、憲法審の毎週開催を主張しています。本会議の代表質問では、「安倍元首相が在任中、2020年までの施行という期限を示して国民的な議論を促したように…」と言いながら、岸田首相に対し、「(改憲の)具体的スケジュールを明示し、憲法審での精力的な議論をリードしていくべきだ」(馬場氏、1月20日)と迫りました。ここでも安倍氏と同様の主張で早期改憲をあおっています。
 五十嵐氏は、「軍拡と連動した改憲を狙う『右側』からの支持を引き付けているのが維新です」と語ります。
 2日の衆院予算委員会では、山本剛正衆院議員が日教組の教育研究集会での憲法教育にかかわるリポートを取り上げ、「意図的に子どもたちに護憲を浸透させようと各地で授業を進めている」と名指しで攻撃。「総理はご自身の任期中に憲法改正の実現を目指しているが、間違った教育が(によって)、憲法を国民の手に取り戻すことができない、遠ざかってしまっているという認識はあるか」などと迫り、改憲という政治的意図をもって、教育内容に不当な圧力を加える異常な姿もあらわにしています。

 歴史を偽る

 歴史問題でも保守系団体の主張を代弁するかのような姿勢です。「佐渡(さど)島の金山」(新潟県)の世界文化遺産の推薦をめぐり、松井一郎代表は「夕刊フジ」の連載(3日)の中で、「一時は『推薦見送り方針を検討』と報じられたが、地元や自民党保守派の反発を受けて、岸田首相が『聞く力』を発揮した。これは当然のことだ」と発言。戦時に佐渡金山で朝鮮人の強制労働が行われていたことは、自治体の公的な歴史文書にも記されている歴史的事実にもかかわらず、松井氏は「『強制労働』とはいえない」と主張し、保守系団体と同じように政権をつきあげています。
 維新はこれまでも「慰安婦」問題への旧日本軍の関与を認めて謝罪した「河野談話」を「虚構まみれの作文だ」(馬場氏、21年12月9日、衆院本会議)などと否定し、被害者を侮辱する歴史修正主義発言を繰り返しています。
 五十嵐氏は、「自民党でも言わないような極端な発言を平気でできるのが維新です。そうした本質を丁寧に明らかにすることが必要」だと強調。「一方で、野党は、国民の不満や不安の原因を根本的に解決するための正しい出口を示すことが求められます」と語りました。


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