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5月14日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』5月14日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「国民は本当にこの路線でいいのか 「戦争国家」に準備着々」

■先人の教えに耳を傾けろ

 米軍との一体化の総仕上げが、ハト派の宏池会のはずの岸田首相まで前のめりの改憲だ。既に平和憲法の理念は風前のともしびだが、さらに明文化して自衛隊を書き込み、専守防衛までをも消し去ろうとしている。自民党改憲案4項目のひとつの「緊急事態条項」だって、いざとなったら政府に全権委任の独裁国家準備法になってしまう。

 ここまで危うい事態なのに、大マスコミはただただウクライナ戦争の戦況を垂れ流し、「日本もウクライナになりかねない」と脅威だけ煽る無責任。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。

 「好戦的な戦争前夜の雰囲気が漂う中で、メディアは間違った道をたどったあの時と同じ役割を果たすのでしょうか。ウクライナで戦争が行われている中で、国民が安全保障や平和に関心を持ち、不安になるのはある意味当然です。だからこそ、メディアは一歩踏みとどまって、冷静な判断を伝える役割があるはずです。このタイミングでトップが来日したEUやフィンランドは、NATO(北大西洋条約機構)を強化する方向に進もうとし、国際的にも浮足立っています。いま日本で行われているのは、多国間や2国間の連携を強めるという軍事同盟強化のための外交になってしまっている。本来進めるべきは、相互の緊張を解き、信頼感を高める外交努力のはずです」

 岸田以下、自民党議員は、「もう二度と戦争はやっちゃいかん」と訴えていた先人の教えに耳を傾けたらどうか。浮足出っていては、決して良い結果は生まれない。


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