SSブログ

7月13日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月13日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「参院選大勝の岸田首相は安倍「負の遺産」を排除できるか」

 米国のブリンケン国務長官が11日、岸田を表敬訪問したのも唐突だった。訪問先のタイからの帰国途中に、予定を変更。安倍の死去を受け、弔意を表すために来日した。

 「安倍氏は首相在任中、日米関係を新たな高みに押し上げるため、他の誰より尽力した」

 岸田との面会後、こう語ったブリンケン。安倍が強く求めた防衛費倍増。NATO諸国にならってGDP比2%にすることは、日米の軍事力一体化を進める米国の要望でもある。ブリンケンは「安倍氏は『自由で開かれたインド太平洋』という先見性あるビジョンを掲げた」と持ち上げてもいたが、「自由で開かれたインド太平洋戦略」は対中包囲網の外交戦略である。対中強硬路線の米国が高く評価するのは当然で、ブリンケンは岸田に対し「安倍路線の継続」を念押しするために、わざわざ飛んできたように見える。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「岸田首相が領袖を務めるハト派の宏池会のあり方は、本来、タカ派の安倍路線とは異なるはずです。しかし、党内基盤を固める中で『安倍後継』を意識せざるを得ず、安倍路線を進むようになった。岸田首相の本心は別のところにあるのかもしれませんが、『安倍氏の遺志を継いで』と言っているうちに、継承せざるを得なくなるでしょう。敵をつくらないのが岸田首相の手法。枠を突破するだけの力量も信念もない政治家です」

■「行政の私物化」は今こそ再調査を

 絶対に許しちゃならない極め付きの「負の遺産」は、行政の私物化だ。

 「モリカケ桜」で、どれほどの税金が安倍の個人的な関係に使われた疑いがあるのか。官僚による忖度も含まれるだろうが、いずれもお手盛り調査しか行われず、実態解明は藪の中。森友学園の公文書改ざんでは公務員が命まで落としているのに、謝罪もない。国会で118回もの虚偽答弁をしても平気の平左。どこが「偉大なリーダー」なのか。

 「総裁選に出馬表明した際、当初、岸田首相は森友問題について、『国民が納得するまで説明を続ける』と再調査に前向きな姿勢を見せたのに、安倍氏の逆鱗に触れるのを恐れてすぐに日和った。岸田首相は、今こそ安倍氏が逃げてきた疑惑を再調査して、国民の疑問に答えるべきじゃないですか。霞が関を忖度ヒラメ官僚ばかりにして、公文書の改ざん・隠蔽を日常化させ、議会政治の土台を崩して政治の信頼を失墜させた。安倍氏は歴代総理の中でも最も罪が重いと思います」(五十嵐仁氏=前出)

nice!(0) 

nice! 0