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7月20日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月20日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「アベノミクスの大罪 1ドル=140円で庶民の暮らしはどうなるのか」

 「安いニッポン」で円の価値が恐ろしく低下しただけじゃない。一時的な痛み止め策だったはずのアベノミクスの異次元緩和を長く続けていることで、日本企業の競争力まで低下させてしまった。

 円安誘導によって株価が上がり、為替差益で稼ぐことに慣れ切った輸出企業は、自らイノベーションや成長の努力をしなくなり、通貨安に依存しなければ収益を上げられない体質になってしまったのだ。その意味でも、アベノミクスの罪は重い。

 安倍は亡くなる直前までアベノミクスを自画自賛し、「日本銀行は政府の子会社」だから国債を大量に買わせてもいいと発言。岸田に対しては、来年4月に任期満了を迎える黒田総裁の後継人事にも介入して、アベノミクスを継続させようともしていた。

 急逝により安倍が異次元緩和の落とし前をつけられないのならば、代わりに岸田が動くべきじゃないのか。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「岸田首相は参院選の街頭演説でも、ロシアによるウクライナ侵攻を物価高の理由にし、世界と比べれば日本は上昇率を抑制できているなどと言っていました。しかし実際は、円安が物価高を加速しているのであり、上昇率は他国と比べて低くても、日本は賃金が増えていないので、庶民生活に与える打撃は大きい。最近、生活困窮者の支援やフードバンクなどのボランティアが拡大しています。本来は、行政が支援すべきことです。アベノミクスが物価高の出発点になっているのは間違いなく、原因をつくった元首相の国葬より、困っている国民のために税金を使うべきなのです」

 死者にムチを打たないのが日本人の美徳とはいえ、怒りの声を上げなければ、庶民の暮らしは良くならないどころか、悪化するばかりだ。

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