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10月5日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』10月5日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「庶民は岸田無策に怒り 狂乱物価対策たったこれだけ?」

経済対策を取りまとめるのが“瀬戸際大臣”という悲劇

 「家計・企業の電力料金負担の増加を直接的に緩和する、前例のない思い切った対策を講じます」

 岸田はこう言っていたが、具体的にはどうするつもりなのか。石油元売り会社に補助金を投入したガソリンと同じで、電力会社に手厚い補助金を流すのか。あるいはポイントとかクーポンとか、また中抜き事業者を喜ばせるだけの愚策を講じるのか。それのどこが「思い切った対策」なのか、甚だ疑問だ。

 そもそも、今月中に物価高・円安への対応を盛り込んだ総合経済対策を取りまとめて、大型補正予算を組む予定というのが悠長すぎる。参院選から3カ月も経つのに、今まで何をしていたのかと言いたくなる。

 補正予算案の提出は11月中旬ごろになる見通しで、仮に12月までに成立したとしても、予算執行は年内に間に合わない。困窮する国民は年を越せるのか。

 「岸田政権はこの夏、新型コロナ対策も物価高対策も何もしなかった。ただ時間が経って沈静化するのを待つだけなのです。『聞く力』を強調していますが、聞くだけで実行力がない、何をしていいか分からない。無能、無策、無責任の三拍子そろっていることが露呈して支持率を落としているのに、この期に及んで思い切ったことをやれない首相です。政治家3代目のボンボンだから、庶民の暮らしの実態が分からないのでしょうか。これだけ国民が困っているのだから、消費税減税を敢行したり、企業がため込んだ内部留保に課税するなど、やれることはあるでしょう。簡単な話です。ところが統一教会の問題や、国葬への国民世論の反対に右往左往し、経済対策に手が回らない。不幸なのは国民です。しかも、経済対策を取りまとめるのは、統一教会との関係が次々と明るみに出て疑惑の渦中にある山際経済再生担当相という笑えない現実がある。経済も国民生活も瀬戸際なのに、“瀬戸際大臣”に任せられるのか。岸田首相は認識が甘すぎるのではないでしょうか」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)


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