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11月13日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』11月13日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「また後手後手で悶絶の蟻地獄 次に辞めるのは寺田総務相か岸田首相か」

 誰がどう考えたって葉梨の「死刑はんこ」発言は一発アウトだろう。9日夜、同僚議員のパーティーでスピーチに立ち、法相の職務について「朝、死刑執行のはんこを押す。昼のニュースのトップになるのは、そういう時だけという地味な役職」と口にしたのだから信じられない。

 たとえ犯罪者だとしても、国家が人の命を奪うということの重さをどう考えていたのか。確定死刑囚の多くは、いつ刑が執行されるか常に怯え、平日の朝、廊下を歩く看守の足音に神経をとがらせるのだという。拘置所の朝は異様な静けさに包まれるそうだ。人ひとりの命を絶つことの重さを考えたら、とてもじゃないが死刑を笑いのネタにはできないはずだ。「死刑はんこ」発言は笑いが取れたらしく、東京のパーティーなどで4回以上、繰り返し使っていたという。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「民主党政権の時、千葉景子法相は、サインをするだけでは無責任だと、執行に立ち会っています。また、谷垣禎一自民党元総裁は、法相を務めた時、大臣室の引き出しに仏像と数珠を入れていたといいます。死刑執行を命じる法相とは、そういうものでしょう。ところが、葉梨前大臣には覚悟のかけらも見えなかった。スピーチでは『法務省は票とカネに縁がない』と発言したともいいます。彼にとって大臣とは、票とカネを集めるものだったのか。どうして法相を引き受けたのか理解に苦しみます」

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