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12月11日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月11日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「ドンブリ勘定、根回し不足 防衛費倍増で泥舟政権は大混乱」

 9日、党本部で開かれた「政調全体会議」は2時間におよび、大紛糾。50人を超える議員が次々に発言し、7割が「増税反対」をブチ上げた。

 党三役の萩生田政調会長まで「増税はさまざまな努力をした後の最後の手段だ」と首相の方針に反対し、閣僚である西村経産相も、法人税増税が有力視されていることについて「企業が大胆な投資のスイッチを押そうという時に、水を差すタイミングでの増税は慎重になるべきだ」と異論を唱えている。

 総理総裁が決定したことに、ここまで「反対」の声が広がるのは異例のことだ。泥舟政権は大混乱に陥っている。さすがに岸田周辺も「まずい状況だ。全部吹き飛んでしまう」と真っ青になっているらしい。

 毎度のことだが、どうせ岸田は、党内に根回しもせず「1兆円増税」を決めてしまったのだろう。こうなるとシナリオ通りには進まないのではないか。

 「岸田首相は、本当に政治センスがない。バイデン大統領に『防衛費の増額を確保する』と約束してしまったため、来年1月の訪米前に形にしたかったのかも知れませんが、いま1兆円増税を掲げたらどうなるか分かりそうなものです。それもこれも、深くモノを考えず、いつも思いつきで決めているからでしょう。実際、政策にしろ、閣僚の更迭にしろ、方針を打ち出したと思ったら、すぐに撤回の連続です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 すべてが思いつきだから、2倍にする防衛費だって、ドンブリ勘定である。

 防衛省は当初、5年間で48兆円を要求し、財務省は30兆円台前半を主張、最後に43兆円で決着している。もし、国防に不可欠なモノを精査していたら、兆単位で差がつくはずがない。事実、与党関係者からは「具体的な装備を査定している最中に政治決着になった」と嘆きの声が漏れている。

 要するに、岸田は、防衛費について、本当は関心も興味もないということなのではないか。

 「なぜ、伝統的にリベラルな派閥である宏池会出身なのに、軍拡の旗を振っているのか理解不能です。防衛費を2倍にし、敵基地攻撃も容認するというのだから異様です。恐らく、国防のことも、憲法のことも深く考えず、政権維持に都合がいいから、という程度の考えで軍拡の旗を振っているのでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

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