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4月16日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月16日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「Jアラートは大丈夫か いよいよ漫画的になってきた対北朝鮮ミサイル防衛」

 昨年10月には、北朝鮮が発射した弾道ミサイルが青森県上空を通過した際、通過とほぼ同時刻に「発射」情報を出し、その13分後に「通過」情報を発出しているのだから話にならない。しかも、飛来するはずがない東京にまで「発射情報」を流しているのだから、デタラメがすぎるというものだ。

 翌11月には、ミサイルが「太平洋へ通過したものとみられる」と発表したが、40分後、報道各社に「実際には通過していない」と文書で訂正する始末だった。日本列島の上空を通過したかどうかさえ分からないとは、いくらなんでもレベルが低すぎるだろう。

 ここまで「誤報」つづきだと、国民もJアラートを信用しなくなるのではないか。なのに、岸田首相は「発出の判断は適切だった」と開き直っているのだから度し難い。まず国民に謝罪すべきだ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「かつて安倍首相は、北朝鮮の脅威を煽り、Jアラートを鳴らしつづけ、選挙に勝利しています。ひょっとして岸田首相も同じ発想なのではないか。これから国会は、防衛費増税が一大テーマになる。国民が北朝鮮に恐怖感を抱いたほうが、防衛費増税を受け入れてもらいやすいと計算したとしても不思議ではありません」

 こうなると、日本の「対北朝鮮ミサイル防衛」は、ほとんどマンガである。これまで自民党政権は、北朝鮮の危機を煽り「ミサイル迎撃システム」に巨額な防衛費をつぎ込んできたが、ミサイルの軌道も正確にキャッチできないのに、どうやって迎撃するのか。迎撃システムを高いカネでアメリカから買うより、地下シェルターを建設した方が、よほど国民の生命を守れるのではないか。

 「さすがに国民も、Jアラートには疑問をもちはじめているはずです。もし、北朝鮮が本気で攻撃してきたら、逃げる時間などないでしょう。日本には安全なシェルターもない。それに、北朝鮮は日本のことなど相手にしていないと思う。対峙しているのは、あくまでアメリカですよ」(五十嵐仁氏=前出)

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