SSブログ

11月12日(日) 「敵基地攻撃」能力の危険な企み―それは日本に何をもたらすか 実質改憲に突き進む岸田政権の狙いを暴く(その3) [論攷]

〔以下の論攷は『治安維持法と現代』No.46、2023年秋季号に掲載されたものです。3回に分けてアップさせていただきます。〕

 ソフトパワーこそ真の抑止力

 それではどのようにして緊張を緩和し戦争を防げば良いのでしょうか。軍拡による抑止力強化路線をやめて外交による信頼醸成路線に転換すれば良いのです。
 戦争への抑止力には軍事力などのハードパワーと外交・経済・観光などのソフトパワーがあります。力による威嚇で恐怖を強めるより話し合いや交流によって信頼感を高めるべきです。現に、米朝首脳会談や南北首脳会談の期間中、北朝鮮はミサイル発射を自制し核実験を中断しました。北朝鮮との国交回復のための交渉や6カ国協議をまた始めれば良いのです。
 軍事的抑止力は恐怖に依存し、相手によって左右され、対抗しての軍拡を生むというジレンマがあります。これに対して、どのような問題でも武力に訴えることなく話し合いで解決するというソフトパワーによる抑止力はそのようなジレンマはありません。
 国内問題への相互不干渉、紛争の平和的解決、武力による威嚇又は武力行使の放棄という9条を活かし、東南アジア諸国連合(ASEAN)の取り組みに学び、仮想敵を想定せずすべての国を迎え入れる包摂性、重層的な安全保障と対話の枠組み、徹底した対話による問題の解決を図るべきです。
 危機を高めないように周辺諸国との交流を深め、インバウンドを増やして仲良くすれば良いのです。周辺諸国の国民が自国政府に対して、日本を攻めるなんてとんでもない、戦争に巻き込むなと反対するような状況をつくれば、東アジアでの危機と緊張は解消するにちがいありません。

 むすび

 岸田政権の狙いは、危機を煽りながら政権基盤を安定させ、長期政権を築くことにあります。最大の問題は政権維持が自己目的化し、実現すべきビジョンや理念が欠落していることです。岸田首相は長期政権によって戦争国家を生み出そうとしているのでしょうか。
 外交・安全保障政策でも、常に受け身で能動的なビジョンがありません。能動的なのは日米同盟の強化と軍事大国路線の具体化、「同志国」との軍事協力の強化です。軍拡以外に解決策を見いだせない岸田首相に日本の未来を託すわけにはいきません。
 岸田首相には経済的な豊かさや成長に向けてのビジョンもありません。アベノミクスのツケをどう解消するのか、異次元金融緩和からの出口をどうするのか、1000兆円を超える国債をどう返していくのか、500兆円もの大企業の内部留保をどう活用するのか、物価高にあえぐ国民の生活をどう支えていくのか。全く展望が示されていないのです。
 人権と民主主義という点でも民意無視という点でも、岸田政権は暴走を続けています。G7の他の国とは異なって同性婚のルールなどはなく、性的少数者の人権を守らず選択的夫婦別姓には無関心で、奴隷貿易や侵略戦争、植民地支配など歴史の負の遺産に対する反省もしていません。マイナンバーカードとマイナ保険証、原発「処理水」の放出、インボイス制度の導入、万博とカジノの強行、沖縄・辺野古での新基地建設など、民意への逆行も目に余ります。
 こんな政権は変えるしかありません。政権を追い込んで解散・総選挙を勝ち取り、政権交代を実現することが必要です。市民と立憲野党の共闘を再建・再構築し、治安維持法が荒れ狂った戦前のような社会へと突き進む岸田政権を打倒するために、皆さんが先頭に立たれることを願ってやみません。

nice!(0) 

nice! 0