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7月9日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月9日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:すべてが異様だった都知事選を総括・分析 悪夢のような結末は歴史の分岐点になる予感

 公務を理由に政策論争から逃げ回り、噴出する疑惑への質問を封じるためにオンライン会見などで記者を制限、公開討論に応じたのも2回だけだった。その一方で、選挙直前の6月に低所得者層に1万円の商品券を配るなど、“買収まがい”のようなことをした。

 そんな小池を自公は支援したが、裏での票固めに徹し、表には出ないように身を潜めた。つまり、まっとうな審判を避けるために、現職都知事が、ありとあらゆる策を弄し、民主主義の“当たり前”を踏みにじった選挙戦だったのである。

 それなのに、フタを開ければ小池の圧勝、開票と同時に当確が出る「ゼロ打ち」だった。政治を真剣に考えている有権者ほど、この結末には暗澹たる気持ちになったのではないか。

 「何から何まで異様な都知事選でしたね。国民から猛烈な批判を受けている与党が候補者を出せずに、小池氏にステルスで抱きついた。それなのに、野党は批判票を受け止められずに、無党派層は分断された。ネット社会の若者は石丸氏に流れ、マトモな政策論争もないまま、目立たない戦術に徹した小池氏が消去法の雪崩現象で圧勝した。56人もの候補者が出て、選挙を金儲けにしたり、面白がる風潮の中で、民主主義が流動化していく懸念を強く感じる選挙でした」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)


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