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8月13日(木) 自民・民主両党の党首討論とマニフェストについて [解散・総選挙]

 法政大学は、今日から1週間、19日(水)まで夏休みです。私は研究所に出勤せず、研究所での閲覧もできません。
 連絡等は、全て私の自宅宛にお願いいたします。次に出勤するのは、8月20日(木)の予定です。

 昨日、「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)の主催で、麻生首相と民主党の鳩山代表による党首討論が都内のホテルで開かれました。衆院選に向けての両党トップの1対1の直接対決は、これが最初で最後になる見通しだといいます。
 このような直接対決は、選挙での争点を明らかにするうえで有効だと思います。しかし、それが、自民党対民主党という限られた参加者によってなされたというのは賛成できません。
 共産党や社民党、公明党や国民新党などの政党の代表も参加させるべきでしょう。とりわけ、自民・民主両党とは大きく異なる政策提起を行っている共産党を交えることは、選挙での争点を明確にする点で大きな意味があったと思います。

 この席で、鳩山民主党代表は、「衆院でいくら議席を占めようが、社民、国民新両党との連立を前提に行動したい」と述べたそうです。仮に衆院で単独過半数を得ても、3党連立政権を作るというわけです。
 これは、参院の状況を考えれば当然でしょう。民主党だけでは過半数に達せず、社民党や国民新党の協力を得なければ、衆院を通過した法案を参院で可決・成立させることができないからです。
 社民党などとの連立は、民主党の暴走を押さえるという点でも意味があるでしょう。この点では、衆院で再議決可能な3分2以上の議席を民主党に与えないようにしなければなりません。

 また、鳩山代表は、政権交代による政治主導で無駄遣いをなくしていくと述べたうえで、「首相は(党首討論で)いろいろ良いことも言っているが、政権をとっていながらなぜ果たしてこなかったのか」と皮肉ったといいます。良く言った、と誉めてあげましょう。
 私も、自民党のマニフェストに対する論評で、「ならば問いたい。どうして、今までそれらを実行しなかったのか、と。自民党はこれまで政権与党であり、そのチャンスはいくらでもあったはずなのに……」と書きました。鳩山さんがこの論評を読んだかどうかは分かりませんが、発言の趣旨は私の問いかけと同じです。
 マスコミなどの扱いでは、同じマニフェストという形であっても、与党と野党とでは、その意味が異なるという点が十分に考慮されていないように見えます。与党は権力を持ち、いつでも実行可能だったわけですから、「これまで」の実績が問題になるのに対し、野党には権力がありませんから、実行する機会はなく、「これから」の構想が問われるという、質的な違いがあるわけですから……。

 マニフェストについて言えば、民主党が内容を改めたことが批判されています。特に、公明党の太田代表などは口を極めて批判しています。
 世論の批判に答えて、不十分な点や過ちを正すことが、どうして問題なのでしょうか。それだけ、世論やマスコミの批判や指摘に対して柔軟であり、応答性があるということではありませんか。
 それに、総選挙はまだ公示もされていません。公示される前に、誤解を招いたり問題のある部分を変更し、よりよいものに変えていくというのは当然のことではないでしょうか。

 ただし、最も問題のある部分が変更されなかったのは、大変、残念です。それは、衆院比例代表区の80議席削減という部分です。
 真っ先にこの公約を撤回し、マニフェストから削減して欲しかったと思います。そして、現在の小選挙区比例代表制という選挙制度を改め、民意が正しく反映するような比例代表を主体とする制度に改めることを明らかにするべきだったでしょう。
 まだ、遅くはありません。比例代表の定数80議席削減方針をやめ、公職選挙法の改正によって選挙運動に対する規制を撤廃し、「べからず選挙」の現状を転換するような方向を打ち出してもらいたいものです。

 なお、昨日、研究所に出勤したら、8月3日にアップした「自民党のマニフェストに対するコメント」http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2009-08-03を掲載した新聞が、共同通信から送られてきていました。かなりの地方新聞で取りあげられたようです。
 先日、北海道に行っていて不在中に電話をかけてきた故郷の友人も、私の談話を読んだといっていたそうです。おそらく、『新潟日報』の記事を目にしたのでしょう。
 以下、アイウエオ順に、掲載紙は『埼玉新聞』『山陰新聞』『四国新聞』『信濃毎日新聞』『中国新聞』『東奥日報』『新潟日報』『西日本新聞』『南日本新聞』で、『埼玉新聞』と『信濃毎日新聞』が8月2日付で、他は全て8月1日付になっています。