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8月27日(木) 「身から出たさび」による「オウンゴール」を続ける自民党と麻生首相 [解散・総選挙]

 「民主320議席獲得も」「自民激減100前後」「総選挙中盤 本社情勢調査」
 今日の『朝日新聞』の一面に、このような見出しが躍っていました。記事は、次のように報じています。

 総選挙中盤の情勢について、朝日新聞社は22~25日に全300小選挙区の有権者を対象に電話調査を実施、全国の取材網の情報を加えて探った。それによると、(1)民主は非常に優勢で、衆院の再議決に必要な3分の2の320議席を得る可能性がある(2)自民は大敗が確実になり、100議席前後に落ち込む見通し(3)公明は小選挙区で苦戦、20台にとどまりそう(4)共産は比例区でほぼ前回並み、社民は小選挙区で善戦、などの情勢になっている。

 総選挙の中盤になっても、民主党の勢いは衰えていないようです。過半数維持どころか、一党で再議決に必要な議席を突破する可能性があるというのですから、すさまじい勢いです。
 ここに、小選挙区制という選挙制度の持つ問題点が象徴的に示されています。勝利や敗北をかさ上げして、過剰なものにしてしまうからです。
 自民党は、今回、自らが導入したこの制度の怖さを身をもって知ることになるでしょう。勝利するであろう民主党も、「明日は我が身」と思っているかもしれません。

 選挙最終盤になって、自民党と麻生首相は、自ら選挙の趨勢を強める「自滅作戦」を展開しているようです。自民党は民主党を中傷する「怪文書」を撒いて、有権者の反発を買っているからです。
 各地で撒かれているビラは、「知ってビックリ民主党、これが実態だ!!」「知ってビックリ民主党、これが本性だ!!」などのタイトルで、「民主党にだまされるな」「労働組合が日本を侵略」「民主党は日教組の手先だ」「民主党が政権をとったら日本が滅びる」などという文章が並んでいるそうです。
 麻生首相の方も、相変わらず「怪演説」を繰り返して、選挙民の顰蹙を買っています。首相は、23日に「そりゃ金がねえなら結婚しない方がいい。うかつにそんなことはしない方がいい」「稼ぎが全然なくて尊敬の対象になるかというと、なかなか難しいんじゃないか」と発言して批判されたのに続いて、25日には、「政治はバクチじゃねえ。(民主党に)ちょっとやらせてみるか、というのは違う話だ。まったく政治の優先順位が分かってねえ人が多すぎる」と有権者をバカにするような発言をしていました。

 このような状況ですから、惨敗の予測も当然でしょう。それも「身から出たさび」と言うべきものですし、「オウンゴール」を繰り返しているのは、麻生首相だけではなく、自民党全体がそうなっているように見えます。
 自民党の失敗は、度重なる失政によって国民の反感を買ってしまったということにありました。そうであれば、自民党が困った状況になればなるほど、国民は溜飲を下げることになります。
 弱いものに味方する「判官贔屓」ではなく、強いものに同調する「バンドワゴン(勝ち馬に乗る)効果」が生じているのはそのためです。「自民苦戦」が伝えられれば、この傾向はさらに強まるにちがいありません。

 麻生首相は各地で応援演説に回っていますが、実際には票を蹴散らしているのではないでしょうか。自民党が配っているビラといい、麻生首相の演説といい、逆効果としか言いようがないものです。
 政権党が政権を失うときは、こういうものなのかもしれません。地殻変動による歴史的大惨敗の前夜にふさわしい体たらくだと言うべきでしょうか。

 なお、総選挙投票日前日の8月29日(土)、雑誌『POSSE』のセミナーで話をさせていただくことになっています。「総選挙直前に問う、雇用政策のゆくえ」というテーマで話をしますので、関心のある方は午後2時に渋谷区勤労福祉会館までお出で下さい。