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9月25日(金) 日本政治のベクトルが「反転」した [政権交代]

 日本政治のベクトル(方向性)全体が、「反転」しつつあるようです。それが向かおうとしている方向は、これまでの日本の針路を大きく転換することになるでしょう。

 拙著『労働再規制-反転の構図を読みとく』を書くきっかけは、労働の規制緩和における「反転」に気がついたことでした。その前に日本経済評論社から出した『労働政策』を執筆していたときのことです。
 原稿を書きながら、どうも労働政策をめぐる最近の状況に変化が起きているのではないか、という気がしてきました。調べてみて、構造改革をめぐる潮目が変化し、徐々に「反転」しつつあることが確認できました。そのとき、「これで日本は救われる」と思ったものです。
 その「反転」が、総選挙での自公政権の惨敗と政権交代という形で結実しました。鳩山政権が発足してまだ一週間足らずですが、その後の動きを見るにつけても、こう言いたいと思います。「これは革命だ。これで日本は救われる」と……。

 もちろん、変化はまだ始まったばかりです。新政権はよちよち歩きを始めたところであり、多くの問題をはらんでいることは明らかです。
 前途は楽観できないと思います。不十分な点や矛盾も見えてきています。
 しかし、それでも、政治のあり方が自公政権の時と大きく異なってきていることは、誰にも否定できないでしょう。このような変化を歓迎し、それをさらに強めるためにどうするべきかが今後の課題です。

 政権が交代しても、政治の中身が変わらなければ意味がありません。今回は、そうなっていないという点が重要です。
 政治の哲学や政策の方向性が大きく「反転」しつつあります。政(族)・官・財(業)の癒着による利益誘導型開発政治という古い自民党政治と、その後の新自由主義的な小泉構造改革という新しい自民党政治の両方からの「反転」です。
 この意味で、鳩山政権は「二つの過去」との決別を志向する政権であると言えるでしょう。それは緒についたばかりですが、方向性は明確です。

 今後は、この方向がぶれないように見守り、働きかけていくことが重要でしょう。さし当たりは、構造改革によって破壊された雇用と労働、教育、保育、介護、医療の分野での転換と立て直しが急務です。

 なお、連合通信社が発行している『連合通信』の特信版(No.1041、2009.9.20)に私の論攷「新連立政権への期待と注文」が掲載されました。「労働と生活の改善を」という表題です。
 もし、お目にとまることがありましたら、ご一読下さい。