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7月1日(土) 都議選での自民・公明の断罪と立憲野党(民進・共産・社民・ネット)の躍進を呼びかける [選挙]

 いよいよ都議選の投票日が明日に迫ってきました。東京という自治体の議員選挙ですが、安倍政権への審判の場でもあり、これからの日本の命運に大きくかかわる重要な選挙になっています。
 この選挙では二つの目標を達成しなければなりません。一つは安倍政権与党の自民党と公明党の断罪であり、もう一つは立憲野党の躍進です。
 自民党が議席を減らしても、立憲野党が伸びないというのでは困ります。民進党、共産党、社民党、生活者ネットの候補者の当選によって自民党や公明党を蹴落とすという形になってもらいたいものです。

 今度の選挙は、アベ暴走政治にノーを突きつけて断罪する絶好の機会になりました。そのアベ政治の暴走・逆走ぶりは、都議選の直前から選挙にかけてますますひどいものになりました。
 通常国会最終盤の共謀罪法案の強行採決など幕引きの仕方も滅茶苦茶でしたが、その直後から出てくるわ出てくるわ、これでもかという形での疑惑や不祥事、スキャンダルのオンパレードになっています。
 国会を延長せず、重要法案の審議を打ち切って「中間報告」という禁じ手まで使って無理やり幕引きを図ったのは、安倍首相が「森友」「加計」学園疑惑での追及から逃げ出したかったからだと見られています。しかし、幕を閉じた途端に、萩生田光一内閣官房副長官の関与を示す新たな内部文書が見つかってしまいました。

 文科省で見つかった内部文書にあった「官邸の最高レベル」とは萩生田副長官のことではないかとの疑惑が濃厚です。萩生田さんは加計さんとの親しい関係を否定していましたが、それを覆すような動画や写真が公開されました。
 河口湖にある安倍首相の別荘で、安倍さんと加計さん、それに萩生田さんの3人がバーベキューしながら缶ビール片手に談笑している写真です。この時はゴルフをやった後で、安倍夫人の昭恵さんや加計夫人、それに萩生田夫人の3人も同じ組で回ったそうです。
 親しくない関係だなどというのは真っ赤な嘘です。実際には、この3人組は家族ぐるみの付き合いをしていたほどの緊密で親しい関係だったのです。

 加計学園をめぐっては、理事長の加計孝太郎さんが自民党の岡山県自治振興支部の代表で、会計責任者も加計学園の理事を務めた人物、支部の事務所が加計学園系列校と同じだったことが判明しています。安倍さんとの個人的な関係だけでなく、政治的にも深くつながっていたことになります。
 また、岡山が地元の加計学園は同じ選挙区の逢沢一郎元外務副大臣に100万円を献金しており、愛媛県今治市で岡山理科大学獣医学部の新キャンパスの工事を請け負っているのは今治市とは縁のない岡山市が本社の「アイサワ工業」などで、逢沢さんのいとこが社長をしているファミリー企業です。しかも、見積書によれば建設費の坪単価は約150万円で、一般的な坪単価70万~80万円の2倍以上もすることが明らかになっています。
 そのうえ、この加計学園が当時文科相であった下村博文さんに200万円の献金をしていた疑惑がもちあがり、この献金の後、加計学園が望んでいた教育学部の新設が認められていたことも分かっています。下村さんは「事実無根」だと否定していますが、お金を加計学園の関係者が出していたことを学園側は認め、2013年と14年の2度にわたって持参し手渡したのが加計学園の秘書室長だったことを、下村さんも認めています。また、下村夫人の今日子さんは2013年3月から安倍首相が監事をやったことのある広島加計学園の教育審議委員をやっており、昭恵夫人と一緒に加計学園のパンフに登場したり、年に数回は同施設のイヴェントに参加したりしていたという事実もあります。

 選挙戦の応援では、稲田朋美防衛相が演説で「防衛省・自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と投票を呼び掛けて大きな問題になりました。自衛隊を「自民党のもの」であるかのように扱って政治利用しただけでなく、指揮権を持つ防衛相が言えば自衛隊員は特定政党を応援しなければならないと誤解してしまいます。
 政治的に中立公平であるべき公務員や自衛隊のあり方からの逸脱という点でも、「党務」と「公務」の混同という点でも、この発言は自衛隊法や公職選挙法に反する暴言にほかなりません。これについて私は、『しんぶん赤旗』6月29日付で以下のようにコメントしました。

 安倍首相自身による、9条改憲での前のめり表明、加計疑惑隠しの「獣医学部の全国展開」など問題発言が続き、その中での今回の稲田発言です。
 稲田防衛相は何回も、閣僚の資質を疑われる言動を繰り返してきました。こういう人を、選んだ責任だけではなく、今までどうして続投させてきたのか。今回のように自衛隊法にも公務員法にも違反することを言い出しかねない人を安倍首相はかばい居座らせてきた。今までも問題にきちんとけじめをつけてこなかった。放置してきたことへの責任は大きいと思います。
 通常国会終盤で加計疑惑逃れのために共謀罪の審議を打ち切り、強行採決で国民の怒りに火をつけ、内閣支持率が急落しました。都議選でも苦戦し、政権全体に焦りが募って自ら墓穴を掘っています。
「1強」体制の「終わりの始まり」です。都議選でこの政権の息の根を止めなければなりません。その可能性は高くなっています。 

 稲田さんは、その後も居直って辞職していません。安倍首相も菅官房長官も「撤回して謝罪したから」ということで、またもや「かばい居座らせ」ており、「きちんとけじめをつけてこなかった」過ちを繰り返しています。
 菅官房長官は前文科事務次官の前川喜平さんについて、「自ら辞める意向を全く示さず、地位に恋々としがみついている」と批判していました。今の稲田さんこそ、その典型ではありませんか。
 「森友」「加計」学園疑惑では、権力者の意向を忖度し、一部の人を優遇したりえこひいきしたりして行政がゆがめられ、大きな批判を浴びました。安倍さんに近く親しいというだけで稲田さんばかりが甘やかされ特別扱いされている姿こそ、えこひいきが政治責任の取り方までゆがめ、公平性や信頼を大きく損ねていることを示しているように思われます。

 まだ、あります。選挙中に明らかになった豊田真由子衆院議員の秘書に対する暴言・暴行というスキャンダルです。豊田議員は責任を取って自民党に離党届を出しましたが、辞めるべきは自民党ではなく国会議員の方でしょう。
 夫の宮崎謙介衆院議員の女性スキャンダルが『週刊文春』に報じられたことのある金子恵美衆院議員についても、公私混同疑惑が浮上しました。公用車で子どもを保育園に送ったり、母親を駅に送り届けたりするなど、私的使用が常態化していたというのです。
 この豊田さんや金子さんの同期には、金銭トラブルが報じられて自民党を離党した武藤貴也さん、不倫疑惑で議員を辞職した宮崎謙介さん、「巫女さんのくせに」「がん患者は働かなくていい」などの失言で謝罪した大西英男さん、おんぶ姿で豪雨の被災地を視察しさらなる失言で政務官を辞任した務台俊介さん、女性問題で経産大臣政務官を辞任して離党した中川俊直さんなどがいます。2012年の総選挙で初当選し14年に再選されたこれらの議員は「魔の2回生」と呼ばれていますが、これらの若手議員を厳しく監督するべき二階俊博幹事長自身が、都議選の応援演説で「この頃は地元もあまり帰れない。よく変なものを打ち上げてくるキチガイみたいな国がある。そうすると私どもは集合がかかる」と述べ、後で「表現として必ずしも適切でないものが一部あった。今後注意したい」と精神障害者への差別的表現について釈明する始末です。

 もう、ボロボロではありませんか。もはや、安倍政権も自民党も末期症状を呈していると言うしかありません。
 「きついお灸をすえる」という程度では足りないほどの堕落と退廃ぶりです。このような腐りきった大木は、早急に切り倒さなければ危険です。
 今度の都議選で自民党を惨敗させれば、それが可能になります。改選議席の57議席をできるだけ減らして第一党の座から引きずりおろせばいいんです。
 もし、自民党の議席が40を下回り、さらに過去最低の38議席以下になれば、安倍首相の責任問題が浮上するでしょう。何としても安倍首相を政権の座から引きずりおろしたいと考えている人にとって、確実な方法は自民党の議席を38以下に減らすことです。

 自民党に代わって第1党になる可能性があるのは「都民ファーストの会」です。しかし、その役割は自民党を追い落とすためにという限りであって、多くの期待を寄せることはできません。
 何よりも、「都民ファーストの会」を代表している小池百合子都知事が、いまだに自民党員であるという事実を忘れてはなりません。6月1日に小池さんは自民党に離党届を出しましたが、まだ手続きが完了していないからです。
 これは自民党による嫌がらせかもしれませんが、自民党にお灸をすえて投票しようとする相手のトップが今も自民党だというのではシャレにもなりません。小池さん自身もそうですが、「都民ファーストの会」も公明党や維新の会と同じような自民党の補完勢力であることは否定できません。
 小池都知事は、自民党都連を批判しても安倍首相を批判することはなく、都政では争っても国政では政府・自民党と連携していく立場を明確にしています。政策的にも、都政の「大改革」を掲げてはいても、どのような都政をめざして、何を、どのように改革してくのかというビジョンが明確ではなく、築地移転問題では「あっちも、こっちも」という中途半端な方針でしかありません。

 だからと言って、都政では自民党や公明党の方がましだというわけではありません。自民党は盛んに「知事のイエスマンばかりにしてはならない」と言っていますが、笑止千万というしかないでしょう。
 石原・猪瀬・舛添という3代の都知事の与党として、「究極のイエスマン」だったのは自民党と公明党ではありませんか。豊洲移転についても一貫して「イエス」を言い続け、今日の混迷の元を生み出してきたのは歴代都知事の与党だった自民党と公明党です。
 自らの過去を棚に上げて「二元代表制を守れ」などと、どの口で言っているのでしょうか。都知事与党が多数になったらチェック機能が働かないという批判は、まず自らの過去を反省し、自己批判してから言うべきでしょう。

 それでも自民党は、まだましだと言えるかもしれません。与党から野党に変わった政党としてのスジを通しているからです。
 みっともないのは公明党です。風向きを見ながら、あっちに付いたりこっちに付いたり、与党としての立場とうまみをを最優先し、政党としてのスジも面目もかなぐり捨てて小池都知事にくっついてしまいました。
 自民党からすれば、浮世の義理も人情もない裏切り者だということになるでしょう。小池与党に宗旨替えし、このまま「イエスマン」としてのあり方を貫くつもりなのでしょうか。

 これらの政党に代わって、民進党、共産党、社民党、生活者ネット、そして市民と野党の共闘が実現した5つの選挙区での統一候補の当選を呼びかけたいと思います。この都議選で立憲野党が躍進して共闘の実績が示されれば、次の総選挙でも野党共闘を大きく前進させることができます。
 なかでも、豊洲移転に反対している共産党を増やせば、豊洲移転を中止させて「築地ブランド」を守ることができます。自民党が第1党の座を滑り落ち、共産党がキャスチングボートを握るようになれば、大型開発優先から福祉・教育・子育て優先の都政へと、都政改革も大きく前進させることができるでしょう。
 そのためには、投票率を上げることが重要です。今まで支持する政党を持たなかった無党派層が立ち上がり、自民党と公明党以外に投票すれば、政治を激変させることが可能です。

 安倍政権を東京で倒す。アベ暴走政治をストップし、市民と野党の共闘による新しい政治への大波を東京から起こしていく。
 そのために、投票所に足を運びましょう。自らの「権力」を用い、一票を行使してこその「主権者」なのですから……。

 なお、7月の講演などの予定は以下の通りです。お近くの方や関心のある方に足を運んでいただければ幸いです。

7月8日(土)14時 大月市民会館:山梨県郡内地区革新懇
7月9日(日)14時 練馬区役所:練馬革新懇
7月15日(土)14時 全国教育文化会館:東京都障害児学校9条の会
7月16日(日)14時 新津健康センター:新潟市秋葉区9条の会
7月18日(火)18時30分 国分寺労政会館:三多摩革新懇
7月22日(土)13時30分 斐川町商工会館:島根革新懇
7月23日(日)14時 鳥取市さざんか会館:鳥取県革新懇・鳥取市革新懇
7月25日(火)10時40分 東山温泉メイプルプラザ:兵庫県民商
7月29日(土)14時 あわぎんホール:徳島革新懇
7月30日(日)14時 松山:愛媛革新懇

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