SSブログ

8月4日(金) 疑惑隠しとゴミ掃除、看板塗り替えで支持率アップを狙った内閣改造 [内閣]

 台に細工しているのではないかと疑われて客の入りが悪くなった安倍パチンコ屋が、疑惑を受けている台や動きが悪い台を入れ替えて目先を変え新装開店しました。これで客の入りが良くなるでしょうか。
 
 内閣支持率の急落に直面して慌てた安倍首相が、政権浮揚をかけて実施した内閣改造・自民党役員人事でした。「結果本位の仕事人内閣」と称して提出した閣僚名簿ですが、思惑通りにはいかなかったようです。
 問題を抱えるポストにはことごとく経験者が起用されました。しかし、加計学園疑惑で焦点となった文科相には、当初、大臣経験者の伊吹文明元衆院議長を想定し、ひそかに会談して就任を打診しましたが、固辞されたそうです。
 外相には、当初、岸田文雄外相の留任を想定していましたが、総裁選への思惑もあって構想が狂ったようです。外相選びは最後まで難航した結果、河野太郎衆院議員に決まりました。

 思惑通りだったのは、森友・加計・PKOの「3点セット」についての「疑惑隠し」という点だけでした。疑惑にかかわっていたとみられる松野博一文科相、山本幸三地方創生相と、改造を待たずに辞任した稲田朋美防衛相の3大臣を入れ替えています。
 南スーダンPKO部隊の日報隠蔽問題について衆院安全保障委員会での閉会中審査を8月10日に開催することになりましたが、稲田前防衛相の参考人招致については平行線のままです。隠すための改造でしたから、あくまでも稲田さんを隠し通そうとしているわけですが、それで疑惑が解明され国民の理解が得られると考えているのでしょうか。
 加計学園疑惑についても、外部の第3者による追加調査や加計考太郎理事長の国会招致が必要ですが、新任の林芳正文科相は追加調査について「現時点では考えていない」と答えています。隠すための改造でしたから予想された対応ですが、それで疑惑が解明され国民が納得するのでしょうか。

 今回の改造で、安倍首相は「骨格は変えないで人心一新を図る」ことをめざしました。しかし、骨格を変えなければ人心は一新できません。
 副総理兼財務相、官房長官、自民党幹事長の骨格は変えず、6人を初入閣させ、それで人心を一新させたという「印象」を与えようとしました。まさに内閣改造による「印象操作」ですが、変わったように見せて骨格も内実も実際には変わっていません。
 改憲姿勢についても「スケジュールありきではない」と述べて今後は自民党主導で進めるよう求めましたが、改憲の意図そのものは変わっていません。逆風が強まったから、頭を低くして突破しようと考えているだけです。

 本当に「人心一新」を図るためなら、内閣総辞職しかないでしょう。疑惑の核心には安倍首相夫妻がおり、国民の不信感と嫌悪感は安倍首相本人に向けられているのですから。
 自民党は安倍内閣とともに「心中」するのか、それとも安倍首相を見限って自らを守ろうとするのか、やがて決断を迫られる局面がやってくるのではないでしょうか。アベ政治の暴走が自民党支配を脅かし不協和音が強まってくれば、いずれ根本から民意を問うことが避けられなくなるにちがいありません。

nice!(1) 

8月1日(火) 森友学園疑惑での籠池逮捕を「トカゲのしっぽ切り」にしてはならない [スキャンダル]

 「森友学園」が大阪府豊中市の国有地で開校を計画した小学校を巡って国の補助金約5600万円をだまし取ったとして、大阪地検特捜部は前理事長の籠池泰典と妻の諄子の両容疑者を詐欺容疑で逮捕し、豊中市の自宅を捜索しました。自民党が「籠池、籠池」と言うたびに「監獄行け、監獄行け」と聞こえていましたが、その自民党の願いが実現したことになります。
 しかし、これで「一見落着」ということにしてはなりません。検察に捕まえられたしっぽを切り落として逃げ去り、国有地の格安払い下げ疑惑で窮地に陥っている「安倍首相夫妻と不愉快な仲間たち」を一網打尽にする突破口としなければなりません。

 森友学園疑惑の核心は、小学校用地として国有地を鑑定評価より8億円以上安い1億3400万円で購入していたことにあります。新設する計画の小学校がスピード認可され、ゴミが出たという理由で8億円も値下げし、払い下げ価格について事前の打診があり、さらに10年での分割払いが認められました。
 いずれも、籠池さんが「神風が吹いた」というほどの異例の優遇ぶりでした。しかも、どうしてそうなったのかについて、経過を検証できるような記録はなく、納得できるような説明もありません。
 はっきりしていることは、大阪府知事や首相夫妻などが籠池さんの復古的で国粋主義的な教育方針に共感し、応援してあげたいと考えていたことです。そのために、どれほどの便宜を図ったのか、その意向を知った周辺の関係者がどのような「忖度」を働かせ、いかなる優遇措置を講じたのかは、今もって闇の中です。

 これらの闇が、今後の捜査によって解明されることを期待したいと思います。すでに、8億円ディスカウントの根拠とされたゴミが予想された2万トンではなく、その100分の1の200トン弱しか出ていなかったことが明らかになっています。
 それなのに、どうしてこれほどのディスカウントがなされたのか、これは国有財産を不当に廉売した背任にあたるのではないかということで市民団体が告発して特捜部も受理しています。この土地の売買についても特捜部はこれまで近畿財務局の職員らから任意で事情聴取しており、これから籠池容疑者らからも経緯を聴く方針だといいます。
 国有地の格安払い下げという核心に向けての捜査が行われ、国と学園の売買経緯の解明がなされなければなりません。今回の逮捕がそのきっかけになり、新たな突破口が切り開かれることを期待しています。

 今回の籠池夫妻の逮捕は補助金の不正受給という詐欺容疑によるもので、格安売買も森友だからという特別扱いによるものでした。その背後には籠池さんの教育理念に共鳴し社会的な信用を生み出そうとした応援団の存在があります。
 このブログで明らかにしてきたように、森友学園が経営する塚本幼稚園での「教育講演会」には、百田尚樹、曽野綾子、平沼赳夫、青山繁晴、竹田恒泰、渡部昇一、中西輝政、櫻井よしこ、田母神俊雄、中山成彬、米長邦雄などがずらりと登場していました。中山成彬衆議院議員(元文部科学大臣)、軍事評論家の田母神俊雄第29代航空幕僚長、西村眞悟衆議院議員(元防衛政務次官)、竹田恒泰慶應義塾大学大学院法学研究科講師の4人はホームページにも登場して推薦の言葉を寄せていました。
 森友学園からの陳情を受けていた鴻池祥肇さんも塚本幼稚園で開かれた「教育再生地方議員百人と市民の会」第10回定期総会で基調講演をしています。また、NHKの経営委員である長谷川三千子埼玉大学名誉教授(日本会議代表委員)も昨年4月29日の『第11回「昭和の日」記念式典』で基調講演を引き受けていました。
 なかでも、安倍総理夫人の昭恵さんは3回も講演し、安倍首相自身も2012年9月16日に塚本幼稚園での「教育講演会」で講演する予定でした(総裁選立候補ため中止)。昭恵さんが新設予定の瑞穂の国記念小学校の名誉校長を引き受けていた(その後辞任)ことは良く知られています。

 もし、籠池さんが大阪府や国を騙していたということで詐欺罪になるのなら、その籠池さんに共鳴し戦後教育の理念を否定するいかがわしい教育団体を権威付けて信用させ、持ち上げて宣伝する「広告塔」として手助けした人々は詐欺のほう助をしたことになるのではないでしょうか。
 これらの応援団の存在や人間的なつながりは森友学園の小学校設立認可や国有地の格安取得、生徒の募集や募金・寄付金集めがやりやすくなるような形で有効に利用されました。森友学園の特別扱いには、周囲がそれを信用したり忖度したり、共鳴したりする「共通の思想空間」や首相夫妻との関係が大きく影響していたのです。
 このような「全自動忖度機」を作動させるうえで、安倍昭恵さんが果たした役割には極めて大きなものがあります。森友学園疑惑の解明には昭恵さんから事情を聴くことが不可欠であり、ぜひ証人喚問に応じてもらいたいものです。

 森友学園疑惑が世間の関心を集め批判が高まるにつれて、これまで応援していた安倍首相夫妻やその「不愉快な仲間たち」はすっかり口を閉ざしてしまいました。これらの人々は全ての問題を籠池夫妻におっかぶせて逃げ出そうとしているようです。
 しかし、これらの応援団の社会的責任は極めて大きく、籠池さんという「しっぽ」を切ったままでのトカゲ本体の逃走を許してはなりません。もし、大阪地検特捜部の捜査がこれで幕引となれば、国民はとうてい納得できず、安倍政権と政治への信頼はさらに低下することになるでしょう。

 なお、8月の講演などの予定は以下の通りです。お近くの方や関心のある方に足を運んでいただければ幸いです。

8月5日(土)13時30分 新座市民会館:新座革新懇
8月26日(土)10時30分 京建労会館:京建労主婦の会幹部学習会
8月30日(水)19時30分 調布市文化会館たづくり:東京土建調布支部

nice!(2)  トラックバック(0)