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6月11日(月) 大健闘しつつも惜敗した新潟県知事選と県議補選 [選挙]

 惜しかった。勝利まで、もう少しでした。
 昨日、投開票された新潟県知事選と県議補選の結果です。いずれも保革一騎打ちの構図で、大健闘したものの惜敗に終わりました。

 新潟県知事選と県議補選の結果は、以下の通りです。

県知事選挙
 花角英世  546670
 池田ちかこ 509568
 安中さとし  45629

県議補欠選挙・上越市選挙区
 斎京四郎  45718
 平良木哲也 41459

県議補欠選挙・南魚沼市南魚沼郡選挙区
 石坂浩  16267
 樋口秀敏 15637
 
 今回の選挙で、私は5月29~30日に妙高市と長岡市、6月7~8日に上越市に応援に入り、知事選では池田候補、県議補選では平良木(ひららぎ)候補への支持を訴えました。そこでの得票がどうなっているのか、気になりましたので調べたところ、妙高市では7643票対7611票、長岡市では64406票対61348票、上越市では46338票対41398票と、いずれも池田候補の方が多くなっています。
 知事選で獲得していた票がそのまま県議補選での得票になっていれば、平良木さんは当選したはずです。残念ながら、そうはなりませんでした。
 平良木さんは知事選の票を5000票ほど下回ってしまいましたが、相手候補の斎京さんは知事選での票を4000票ほど上乗せしたからです。知事選と県議補選で投票態度を変えた人が5000人前後いたということになります。

 今回の県知事選について、「どの市町村で差がついているのか? 新潟県知事選の得票率と得票数を地図化」という「はる/みらい選挙プロジェクト(情勢分析ノート)」https://note.mu/miraisyakai/n/n7427b6367d55
が分析をしています。詳細はそちらをご覧いただきたいと思いますが、以下のような点が注目されます。

*花角氏の得票率は49.6%、池田氏の得票率は46.2%で、両者の差は3.4ポイント。得票数にして37102票。
*花角氏と池田氏の差のうち17547票が新潟市内の差。特に新潟市中央区で10017票の差がついていることが目を引く。
*12039票の差が佐渡でついている。佐渡は花角氏の出身地で、前回選挙でも森氏がリードしていた。しかし新潟市は米山氏が重点的に得票した地域で、ここで逆転が起きた。
*前回選挙と得票数を比較すると、池田氏の得票数は米山氏を約2万票下回る一方、花角氏は森氏の得票数を8万票ほど上回った。NHKの出口調査によると、前回選挙で米山氏に投票したと答えた人のうち、30%半ばが花角氏を支持した。
*前回と今回の選挙では、長岡と新潟の票の出方が逆になったような感じ。池田氏の出身地にあたる柏崎でも、前回選挙で森氏がリードしていたのが逆転している。
*長岡は票を減らしているが、新潟市内の全域で伸びており、西区、中央区、東区では突出している。

 つまり、池田さんは長岡市と上越市で花角さんを上回ったものの、大票田の新潟市で逆転されたために敗北したということになります。前回の米山票を7割弱しか確保できなかったことがその要因でした。
 原発再稼働への反対票の取り込みも十分ではありませんでした。朝日新聞は「再稼働への賛否に絞った質問でも、反対(65%)が賛成(30%)をダブルスコアで上回ったものの、花角氏は『反対』票のうち37%を取り込んでいた。再稼働問題を争点としない花角氏の戦術が功を奏したことを示している」と指摘しています。
 与党候補が勝利した沖縄の名護市長選と同様の「争点隠し選挙」の「効果」があったということでしょう。またしても、このような卑怯な選挙戦術にしてやられたということになります。

 もう一つの敗因は、脱原発以外の政策が十分ではなかったということかもしれません。これについても、朝日新聞は「投票の際に最も重視した政策は(1)原発への対応(28%)(2)景気・雇用(25%)(3)地域の活性化(18%)(4)医療・福祉(14%)(5)子育て支援(11%)の順だった。 花角氏は『景気・雇用』を選んだ人の70%、『地域の活性化』を選んだ人の63%から得票」していたと報じています。
 また、先に紹介した「はる/みらい選挙プロジェクト(情勢分析ノート)」も、「新しい知事に最も期待する政策を聞いたところ、「景気・雇用対策」が最も多く31%。続いて「原発の安全対策」が24%。「医療福祉の充実」が22%でした」と書いています。
 原発再稼動への態度を曖昧にし、地域振興などを前面に押し出した花角氏の戦術が功を奏したわけです。官僚出身で中央とのパイプを誇り、副知事としての経歴や行政手腕への漠然とした期待があったのかもしれません。

 他方で、両者の差は3.4ポイントという僅差であったことも、同時に見ておく必要があります。県議補選での差も小さく、勝機はあったと思います。
 このような形でほぼ互角の戦いになったのは、市民と野党が共闘したからです。共闘しなければ一騎打ちにはならず、勝機を見出すことは難しかったでしょう。
 適切な争点設定と政策を練り上げれば、与党候補を破ることは可能であること、「活路は共闘にあり」ということは、今回の新潟での知事選と県議補選でも証明されています。現に、同じ日に投開票された東京・中野区長選では、無所属で新人の酒井直人候補(立民・国民・自由・社民推薦、共産支援)が初めて当選し、無所属で現職の田中大輔候補(維新推薦、自民・公明支援)の5選を阻むという大きな成果を上げました。

 新潟県知事選での池田候補も与党支持の候補に肉薄し、安倍首相の心胆を寒からしめるという成果を上げています。当選できなかったのは残念ですが、市民と野党の共闘の力を示すに足る大健闘でした。
 この力をさらに大きく、捲土重来を期すべく前に進んでいきましょう。柏崎刈羽原発をめぐる争点は決着したのではなく、先延ばしされたにすぎないのですから。

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6月10日(日) 新潟県知事選挙と県議補選での野党統一候補の当選を重ねて訴える [選挙]

 注目の新潟県知事選挙、同時に実施される新潟県上越市と南魚沼市での県議補欠選挙の投票日です。これらの選挙の結果がどうなるかによって、新潟県政の進路はもとより日本の将来が決まります。
 これほど重要な選挙は、そうめったにあるものではありません。県知事選と県議補選の全てで野党統一候補が当選すれば、「選挙革命」が起きて安倍首相の命運を断つことができます。

 これらの選挙の最大の争点は、柏崎刈羽原子力発電所の再稼動をめぐる問題です。すでに原子力規制委員会での審査が終わっていますから、地元の首長がOKを出せば再稼働できる段階になっています。
 自民党・公明党丸抱えの候補は態度を明確にしないことによって、沖縄・名護市長選挙のような「争点隠し」に徹しています。しかし、全国で原発再稼働を狙っている安倍政権・経産省・原子力産業・自民党に支援されている事実は隠せません。
 選挙で応援してもらいながら、いざ当選したら原発の再稼動に反対するなどということは不可能だということは小学生にも分かることです。原発の地元である柏崎に生まれ、ずっと原発に反対し続けてきた野党統一候補こそ、再稼動を阻止できる唯一の候補です。

 もう一つの重要な争点は、農業をめぐる問題です。新潟は農業県ですから放射能汚染は致命的ですが、安倍政権の農業政策もこれに劣らず新潟の農業と農家にとって大きな脅威となっているからです。
 「安倍農業改革」とそのための農協(JA)いじめによって、日本の農業と農家、農村は壊滅の危機を迎えています。兼業と小・零細農家を淘汰することによって農地を放棄させ、それを集約して大規模化し、農産物の生産コストを下げて国際競争力のある農業を育成するというのが「安倍農業改革」の目標ですが、そうなると農村コミュニティは維持できません。安倍首相が「農業を守る」とは言っても「農家を守る」と決して言わないのはそのためです。
 安倍政権が多国籍企業の利益のために種子法の廃止やTPP11を強行したのに対して新潟県は種子を守り育成・改良するための種子条例を制定し、農家と農民を守る県政を推進してきました。政府・自民党丸抱えの県知事に、このような農業と農家を守る県政を引き継ぐことができないのは自明です。

 自民・公明に支援される対立候補は、安倍政権や自民党とのつながりを隠すために「県民党」を名乗っています。しかし、この人は運輸省出身の官僚で自民党の二階幹事長が運輸大臣だった時代に秘書官を務め、自民党の二階派と深くつながっています。
 国交省時代には大阪航空局の局長を務めていましたが、この経歴は選挙公報には載っていません。森友学園の土地不正売却問題との関連を詮索されたくなかったからでしょう。
 新潟県では副知事を務めた経験があり、これが知事候補に担ぎ上げられた大きな理由でした。しかし、その期間は2年5ヵ月にすぎず、しかも泉田元知事が立候補を断念した要因となった3億円の赤字を出したフェリー購入問題の時の副知事です。

 まだ、あります。立候補する直前まで、海上保安庁の次長を務めていたという事実です。
 沖縄県辺野古での米軍新基地建設に反対して連日抗議活動が取り組まれていますが、それを取り締まり弾圧する責任者の立場にありました。沖縄県民にとっては、不倶戴天の「敵」ということになります。
 「華麗な経歴」どころか真っ黒で、ボロボロじゃありませんか。対立候補ながら、こんな人しかいなかったのかと言いたくなるような経歴です。

 これに対して野党統一候補は、新潟県で生まれたというにとどまらず、柏崎で育ち、市役所の職員として働き、農家の嫁となり、柏崎市議、その後は新潟県議としてのキャリアを積んで来た生粋の「新潟っ子」です。
 しかも、新潟県初の女性県知事誕生のチャンスでもあります。「女には任せられない」という女性蔑視の意見もあるようですが、すでに女性の県知事は珍しいわけではなく、隣の山形県は女性知事です。
 「今は混乱しているから女ではだめだ」という声も聴きましたが、その「混乱」を引き起こしたのは男の知事さんではありませんか。女性の知事であれば、「女性スキャンダル」の心配はないでしょう。

 サミットに出席するためにカナダに行っている安倍首相は、ハラハラしながら事態の推移を見守っているにちがいありません。小泉元首相が魚沼市で原発セロを推進する野党統一候補に会って期待を表明したり、息子の小泉進次郎さんが応援に入らなかったりしたことも、選挙の帰趨を左右するかもしれません。
 安倍首相による嘘と偽りの政治、行政の私物化と歪曲、司法による忖度など、日本の政治の現状に対してはっきりと「ノー」を突きつけられるのは新潟県民だけです。その一票を有効に使って県知事選と県議補選での野党統一候補の当選を勝ち取り、安倍首相をギャフンと言わせ政権の座から引きずり下ろしていただきたいものです。
 我が懐かしのふるさと、新潟県民の皆さん、頼みましたよ。

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6月6日(水) 森友決裁文書改ざん問題の処分発表による幕引きを許さない [スキャンダル]

 これで国民が納得するとでも思っているのでしょうか。政府としてはこれで一件落着として幕引きを図りたいところでしょうが、そうは問屋が卸しません。

 森友学園との国有地取引に関する決裁文書の改ざん問題で、財務省は調査結果と関係職員計20人の処分を発表しました。切られた「トカゲの尻尾」は20あったというわけです。
 しかし、その中心人物で「中核的な役割を担った」とされる佐川宣寿前理財局長は「停職3カ月相当」の処分で退職金約500万円の減額にすぎません。トップの麻生太郎財務相は「誠に遺憾。深くおわび申し上げる」と謝罪したものの、閣僚給与1年分(170万円)を自主返納するだけです。
 1年以上にわたって国会を欺き続けて国政の混乱を招き、国民の財産である公文書を改ざんして歴史をねつ造した大罪ではありませんか。こんな大甘の処分で、国民が納得すると考えたら大間違いです。

 改ざんや交渉記録の廃棄は国会審議の紛糾を回避するためだったとしていますが、本当の動機は安倍首相夫妻を守るためだったに決まっているじゃありませんか。これだけの問題を引き起こしたのにトップの麻生さんが責任を取って辞任しないのも、安倍首相を守るためにほかなりません。
 諸悪の根源が「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」にあることは明らかです。これまでの政治スキャンダルとの決定的な違いは、疑惑の中心に最高権力者とその妻が位置しているという点にあります。
 『東京新聞』は「昭恵氏関与踏み込まず」と報じていましたが、安倍首相の責任に直結するために「踏み込めない」のです。『朝日新聞』も「政治責任なぜ果たさぬ」と書いていますが、政権を守るために「果たせない」のです。

 改ざんのきっかけになったのは、安倍首相が昨年2月17日に「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と国会で答弁したことにあります。これを聞いた官僚たちは慌てて首相の妻昭恵氏の名前が入った文書の有無を確認し、政治家関係者に関する記録などもリストにして片っ端から廃棄してしまったのです。
 森友学園への国有地格安売却に昭恵氏が関与していたことは、もはや否定しようもなく明白です。その事実を隠ぺいするために、20人もの財務省の官僚が公文書の改ざんという政治犯罪に手を染めてしまいました。
 これだけの官僚が罪を犯したことを財務省の正式な調査が認定したことになります。それなのに大阪地検によって起訴されず、処分されても大甘で、トップは責任を取っていません。

 国有地格安売却だけでなく、その後の対応や処置も問題だらけだと言うべきでしょう。安倍夫妻を守るために、議会政治の土台までぶっ壊されてしまっということになります。
 結局、改ざんについての真相は解明されませんでした。解明すれば責任が安倍夫妻に及ぶから解明できず、解明したくなかったのです。でも、すでに国民の多くはその「真相」を知っています。
 安倍首相は「膿を出す」と言っていますが、権力の中枢は膿だらけです。「膿を出すため」には、総辞職によって洗い流すしかありません。

 私が沖縄の辺野古の海で見たものは、国民を守るべき公務員が国民を排除する姿でした。そして、森友疑惑で明らかになったのは、国民に奉仕するべき公務員が公文書を隠ぺいしたり廃棄したり改ざんしたりして国民を欺く姿です。
 一方は安保によるもので、他方は安倍によるものです。安保と安倍によって日本の政治・行政と、時には司法も、掘り崩され機能不全に陥っているということになります。

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6月5日(火) 沖縄から新潟へと闘いを受け継ぎ県知事選挙での勝利をめざそう [選挙]

 昨日、沖縄から帰ってきました。1日から3泊4日の滞在でした。
 1000人が参加して成功した3日の「沖縄連帯のつどい」だけでなく、2日には米軍の新基地建設に反対する抗議活動が行われている現地の辺野古に行き、海上での抗議やキャンプシュワブ前での座り込み、毎月第1土曜日に行われている集会などにも参加しました。嘉手納基地や普天間基地、嘉数高台公園の日本軍のトーチカ跡などの沖縄戦跡も訪れました。

 私にとっては4度目の沖縄訪問です。1回目は法政大学で担当したゼミ学生の卒業旅行への同行、2回目は沖縄大学で開かれた政治学会への参加、3回目は法政大学教職員組合主催の視察旅行でしたが、今回は米軍基地建設阻止・翁長県知事再選を目指す運動の支援という点で極めて有意義なものでした。
 3年前の革新懇主催のシンポジウムのコーディネーターを行った時にシンポジストとして参加した沖縄革新懇の仲山事務局長にお会いし、「いつか必ず支援にうかがいます」と約束しました。今回の訪問でようやくこの約束を果たすことができ、ホッとしています。
 「沖縄連帯のつどい」が開催された日の夜、沖縄革新懇と全国革新懇の懇親会が開かれ、「困ったときの友が真の友と言いますが、本当の友でありたいと思ってやってきました」と挨拶しました。しかし、沖縄は確かに困難な状況の下にありますが決して「困っている」わけではなく、皆さん大変元気で意気軒高でした。

 辺野古はまさに「日米安保の最前線」です。きれいなコバルトブルーの海がオレンジ色のフロートで仕切られ、近づくと海上保安庁の黒いゴムボートが近寄ってきてハンドマイクで警告します。
 フロートの中に入ったカヌーがゴムボートに取り囲まれ、乗員が拘束される場面も目撃しました。海中にも潜水服を着て水中眼鏡を付けた保安庁の職員が警戒しています。
 日本国民を守るべき国家公務員が他国の軍事基地を作るために国民を排除しているのです。「植民地」以外のなにものでもない光景が展開されていると言うしかありません。

 しかも、この米軍基地は「造れず、造ってはならない」ところに造ろうとしているものです。現地で指摘されていた問題点は5つありました。
 第1に埋め立て区域内に絶滅危惧種のサンゴが生息していて移植が必要なこと、第2にジュゴンの餌となる藻場があること、第3に大浦湾に二つの活断層が存在していること、第4にその周辺の地盤が極めて軟弱なこと、第5に飛行機進入路の予定空域内に高さ制限を超える鉄塔や建物が存在していることです。
 とりわけ、地盤の問題は深刻です。「マヨネーズや豆腐の上に基地を作ろうとしているようなものだ」と形容されていました。
 このような問題を抱えたまま建設が強行されているわけですが、それでも完成までには10年以上かかります。朝鮮半島での対話の動きなど周辺の安全保障環境の激変によって、出来上がったころには全く無駄になっているのではないでしょうか。

 「政治の意思」が問われているということでしょう。早く断念するべきです。
 遅くなればなるほど傷が深くなることは明らかです。基地の建設を強行する安倍政権こそが「国益」を損ない、阻止のために連日行動を続けている人びとこそが「国益」を守っていることになります。
 それを沖縄だけに任せず、国民全体の力で包み込んでいくべきでしょう。そのための当面の焦点が、全国の注目を集めている新潟県知事選挙になります。

 ということで、明日から県知事選挙の応援のために新潟に行きます。何としても市民と野党が統一して擁立した女性候補の当選を勝ち取りたいと思います。
 対立候補を応援する地元の商工会の会長は「新潟に女性知事はいらない」とセクハラ演説をしているそうです。とんでもありません。
 新潟県知事選挙の支援に行くと言ったら、沖縄の人々から伝言を託されました。「自民党の争点隠し選挙にしてやられた名護市長選挙の失敗を繰り返さないようにしてもらいたい」と。

 ふるさと新潟の皆さん、よろしくお願いします。県知事選挙勝利のために、ともに頑張りましょう。

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