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9月27日(木) 『日刊ゲンダイ』でのコメント [コメント]

 〔以下の私のコメントは、『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*9月20日付巻頭特集「圧勝予測が一転 安倍首相からどんどん票が逃げている」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
 「今回の総裁選は、5年間のアベ政治を凝縮していると思います。力ずくで批判と不満を封じ込めてきたのが安倍政権です。逆らう者は恫喝して黙らせてきた。安倍周辺はその手法が染みついているのでしょう。だから、自分たちが異常なことをやっていることに気づかない。すべて長期政権のおごりですよ」

*9月22日付巻頭特集 「崩れた圧勝皮算用 安倍3選という「終わりの始まり」」
 「12年に一回、春の統一地方選と、夏の参院選が重なる亥年は、自民党は参院選で大敗するというデータがあります。理由は、集票マシンである地方議員が、自分の選挙が終わった直後なので、積極的に動かないためだといわれています。前回、2007年の参院選の時も、野党に過半数を奪われ、安倍首相は退陣に追い込まれています。しかも、今回、党員票で苦戦したように、地方を中心にアベ政治への不満が渦巻いています。アベノミクスの恩恵もありませんからね。モリカケも忘れていない。総裁選で起こった“地方の反乱”は、参院選敗北の前触れと見ていいと思います」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 「本来、総裁選の争点は『本当にあと3年もアベ政治を続けていいのか』だったはずです。アベノミクスは本当に成功しているのか、安倍外交は本当に成果をあげているのか、一つ一つ、検証するのがジャーナリズムの役割だったはずです。ところが、そうした視点は、ほとんどなかった。選挙日程が短縮されても、異論を唱えなかった。安倍首相が嫌がるからでしょう。大手メディアにまで、忖度が広がっているとしか思えません」(五十嵐仁氏=前出)

*9月23日付巻頭特集 「国民は腰を抜かすほど驚いている 麻生財務相の留任報道」
 「総裁選でモノ申せない国会議員に成り代わり、民意に近い地方党員がモノ申し、安倍1強に不満をぶつけても、安倍首相にはどこ吹く風です。麻生財務相続投の論功人事は国民の批判や政治のスジを通すことよりも、民意無視のお友達優遇政治を3選後も貫くという決意表明。国民への“宣戦布告”です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 「この油断人事がつまずきの元となり、その後、橋本政権は転落の一途。翌年夏の参院選で自民党は大敗を喫し、政権に幕が引かれました。1強に慢心していると、来年夏に参院選を控える安倍政権も同じ道をたどることになりかねません」(五十嵐仁氏=前出)

*9月26日付巻頭特集「強がっても負け惜しみ 安倍政権レームダック化の急加速
 「総裁選の結果は、安倍首相にとって衝撃だったはずです。党員票で<55対45>と石破さんに迫られたのはもちろん、得票が35万にとどまったからです。党員の4割が棄権してしまい、党員票104万のうち3割しか得票できなかった。職域団体などの組織票は、現職総理に入れたはずです。それでも支持はたったの3割。自民党員でもこの数字です。恐らく、一般国民の支持は2割程度でしょう。8割が“反アベ”なのではないか。来年は統一地方選と参院選が行われる。いずれ党内から『安倍首相が選挙の顔では勝てない』という声が噴出するでしょう。“安倍1強”は音を立てて崩れていくはずです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 なお、今日から9月30日まで、東大阪と香川での講演に出かけます。その間、このブログはお休みさせていただきます。
 再開は10月1日以降ということになりますので、ご了承いただければ幸いです。

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