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10月16日(火) 森友学園疑惑も「まだ区切りはついていない」 [スキャンダル]

 「一件の国有地取引を、1年以上も掘り下げ続けてきた。しかし、売却額が妥当だったかどうかの検証は済んでいない。改ざんの詳しい経緯も、財務省の説明には違和感が残る。まだ区切りはついていない。」

 これは『朝日新聞』10月15日付に掲載された「新聞週間2018」の特集「記録を追う、歴史に残す」という記事にある記述です。ここで指摘されている「一件の国有地取引」というのは、森友学園疑惑のことを指しています。
 この疑惑には二つの問題がありました。一つは「売却額が妥当だったかどうか」、もう一つは土地取引に関する公文書の「改ざんの詳しい経緯」です。
 このいずれについても、真相は明らかにされていません。10月13日と14日に実施されたJNN世論調査で、森友・加計学園疑惑について安倍総理や政府のこれまでの説明に「納得できなかった」と答えた人が80%にのぼり、「納得できた」が11%にすぎなかったのも当然です。

 森友学園の国有地売却問題では、最近になって新たな疑惑が生じています。『朝日新聞』10月11日付朝刊が、8億2000万円もの大幅値引きの根拠となった地下のごみの深さについて、「3・8メートルまで」に存在する証拠とされた写真が、実際には「3メートルまで」を計測していた疑いを報じたからです。
 野党側は、この写真付き報告書を証拠として提出していた国土交通省に、事実関係を確認するよう求め、国交省は値引きの根拠となった「地価のゴミが見つかった深さ」についての新しい資料を国会に提出しました。
 この資料を基に行われた野党側のヒアリングで、国交省はホワイトボードの「深さ3m」という記載について、工事業者から「経験の浅い従業員が誤って書いたものだ」という回答を受けたとしたうえで、「3.8メートルという深さは、限られた時間の中で、当時の使いうる資料に基づいて積み上げ推計した」と説明しました。しかし、野党側からは「業者が撮影した調査の写真は不鮮明で、深さがわからない」といった指摘が相次ぎ、引き続き臨時国会で追及されることになるのは確実です。

 公文書改ざん問題でも、9月25日にテレビ東京で興味深い放送が流れました。「<森友公文書改ざん>自殺職員の父と財務省OBが決意の告白」と題して放送された番組では、公文書の改ざんをさせられ自ら命を絶った近畿財務局の職員の父親が登場し、財務省の財務局OB職員6人が実名でカメラ取材に応じています。
 父親は、「上司に言われることを反対するわけにもいかないし、上司に言われた通りに書き換えたと遺書に書いてありました。7枚か8枚のレポート用紙に書いてありました」と話し、「改ざんをさせられたことで亡くなったと考えているか?」との問いに、「そうそう。財務省に入った自慢の息子はなぜ死ななければならなかったのか、いまも問い続けています」と答えています。他方、財務局OBは「2人の職員から電話をいただいて、彼が改ざんの仕事をやらされる中で100時間を超えるような残業。追い詰められて顔が変わってしまった」と証言しています。
 財務省OBは佐川氏らの国会答弁を複雑な思いで見ていたと言い、「佐川さん、うそついたらあかん、文書っていうのはそんなもんじゃない。記録が全然ないなんてうそつくな、歯がゆい思いがして」などと話し、異例の土地取引や文書改ざんにはある力が働いたと見ています。「公務員の判断で文書の改ざんはありえない」とし、疑惑をすべて明らかにし、二度とこのような問題が起きないために6人は全国の財務局OBに協力を呼びかけています。

 24日から臨時国会が始まります。加計学園疑惑と同様、森友学園疑惑についても、まだ区切りはついていません。
 公文書改ざん問題では自殺者まで出ています。真相を明らかにし、麻生副総理兼財務相と安倍首相の政治責任を明らかにして断罪しなければ、自ら命を絶った職員は浮かばれないでしょう。

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