SSブログ

9月20日(金) 千葉での台風被害、長期大規模停電や断水から国民が学ぶべきこと [災害]

 「集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑。昨年、異次元の災害が相次ぎました。もはや、これまでの経験や備えだけでは通用しない。命に関わる事態を『想定外』と片付けるわけにはいきません。」

 安倍さん、よもやお忘れではないでしょうね。これは、今年の1月28日、通常国会の開会日にあなたがご自分の口で語った施政方針演説の一節ですよ。
 千葉では未だに台風による災害、大規模停電や断水によって生じた被害の全容が分からず、復旧の見通しも立っていません。直接的にはかつてない強い風を伴った台風による被害ですが、その天災に人災を付け加えて被害を拡大したのは千葉県や東京電力、政府の初動の遅れであり、対応の拙劣さでした。
 不安を抱いて苦しんでいる被災者を生み出した行政や東電に対して、安倍首相は同じ言葉を発することができますか。「もはや、これまでの経験や備えだけでは通用しない。命に関わる事態を『想定外』と片付けるわけにはいきません」と。

 このように言っていた安倍首相自身、今回の台風による被害への見通しの甘さが指摘されています。事前の備えは不十分で、被害の予測も誤っていました。
 災害が発生した後も内閣改造を優先して災害対策を後回しにし、初動が遅れました。千葉県の対応にも同様の問題が指摘されています。
 安倍首相は現在まで、千葉県の被災地を訪れてもいません。9月1日に実施された防災訓練のために千葉県を訪問していたにもかかわらず。

 被害が拡大した背景には、多くの問題が横たわっています。停電の復旧が当初の見通しより遅れたのは倒木のせいだとされていますが、それを取り除くためにより早く自衛隊を出動させていれば除去作業はもっとスムースに進んだはずです。
 電柱などの送電網が老朽化していたのは、東電が設備投資を怠っていたからです。復旧のためのベテラン要員が不足していたのも、東電が社員の採用を手控えていたからです。
 設備投資を行わず、社員を削減して新規採用を減らしてきたのはコスト削減のためでした。その理由は、原発事故への補償や廃炉作業のために膨大な資金を必要としているからで、これらすべても原発事故の後遺症にほかなりません。

 自治体のリストラを進めて職員を減らしてきたことも大きな問題を引き起こしました。災害救助や復旧のための事務手続きに対応する人的な態勢が取れなくなっているからです。
 正規職員を減らしてきたことも、緊急事態における自治体の対応能力を低下させてきました。ある程度の余裕を持った職員の配置と緊急事態に対応可能な判断力とノウハウを蓄積した正規職員の確保は、災害対応にとって必要不可欠な人事政策なのです。
 そして、何といっても政府の問題があります。災害に敏感で国民に寄り添い、機敏かつ適切に緊急事態に対応できる能力を持った政府でなければなりません。
 集中豪雨の報告を聞いてもゴルフを続行したり、被害が生じている最中に「赤坂自民亭」という宴に興じたり、甚大な台風被害が発生しているにもかかわらず組閣に熱中して笑顔でひな壇の記念写真に納まるような首相や閣僚であってはならないのです。またもや、安倍政権は国民に寄り添う気持ちも機敏に対応する能力もないことが明らかになりました。

 「集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑」などの度重なる「異次元の災害」に対して、安倍政権は常に対応を誤り、被害を拡大してきました。この経験から、緊急事態への適時適切な対応のためには、緊急事態条項を書き加えて憲法を変えるのではなく政府を変えることこそが必要だということを、私たち国民は学ぶべきではないでしょうか。
 そして、こう言うべきでしょう。「想定外」などと言って逃げるな!

 なお、今日と明日、以下のような場所で講演します。誰でも参加できますので、お近くの方に足を運んでいただければ幸いです。

9月20日(金)第15回杉並革新塾 午後6時30分:杉並産業商工会館展示室 
9月21日(土)千葉県革新懇 午後1時30分:千葉県教育会館 

nice!(0)