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5月21日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』5月21日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「検察改正引っ込めず まだ懲りない安倍首相に国民は唖然」

 これまで法務省は「検察官に国家公務員法の定年延長は適用されない」という解釈を維持していたのに、今年1月に森が口頭で解釈変更を決裁したとされる。

 前例のない閣議決定に際し、省内の会議や内閣法制局などとの打ち合わせに関する文書を保存していないなんてことが、あり得るのか。

■文書は破棄され関係者は記憶喪失に

 それでも、安倍が「法務省側からの提案」と発言したことで、それに沿った理屈を役所側がつくり上げ、口裏合わせで法改正をゴリ押しすることになるのだろう。この7年半、すべてがそうだった。霞が関の隅々にまで、忖度は行き渡っている。

 「この政権は、とにかく文書を残さない。森友問題では、首相の発言に合わせて公文書を改ざんしましたが、それはリスクが大きいからと、文書も議事録も面会録も残さない方向にシフトした。照合する文書がないのだから、安倍首相は言い放題です。疑惑が浮上しても、文書はことごとく廃棄され、関係者は『聞いていない』『知らない』と記憶喪失になってしまう。桜を見る会もそうですが、首相の発言を裏付ける証拠も何ひとつ出てこないのです。これでは、後から立法プロセスを検証することもできない。首相の権限だけが根拠もなく肥大化していく。これ以上、こんな政治が続けば国が持ちません」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 法案先送りを決めた安倍は18日、官邸の報道陣の前で「国民の皆さまからのさまざまなご批判にこたえていくことが大切なんだろう。中身について丁寧な説明が必要なんだろう。国民の皆さまのご理解をいただきながら進めてゆく」と話していたが、いい加減にして欲しい。誰も「進めてゆく」ことなんて求めていないのだ。国民は、中身を理解していないから法改正に反対したのではない。逆だ。理解したから、抗議の声が高まり、内閣支持率も暴落している。

 「これまで何度も繰り返されてきた、その場しのぎのゴマカシは、もう通用しない。国民が注視する中、官邸のシナリオ通り、8月に黒川氏が検事総長に就任すれば、世論の怒りが沸騰するし、疑惑の説明もないまま法改正を強行すれば、政権の命取りになるでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

 嘘を重ねるほどドツボにはまる。何があっても非を認めない厚顔で生き永らえてきたこの政権も、今回ばかりは、自滅の道をひた走ることになりそうだ。

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