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6月20日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月20日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「都知事選展望 来るのか「女帝」が引きずり降ろされる日」

 時事芸人のプチ鹿島氏は16日のオンラインイベントで「小さな業績、大きな混乱」と、小池都政の4年間を評していたが、正鵠を射た指摘だ。

 「結局、この4年間で何をしたの? 小池知事が街頭に立たないのは、現職候補なら当然の実績評価から逃げているだけだと思います。マトモな感覚の持ち主であれば、とても人前には出られない状況かもしれません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 18日も都内で41人の陽性反応が確認されるなど、解除した途端に感染者急増の「東京アラート」のパフォーマンスにも批判が広がる。小池の都合だけで、19日から休業要請を全面解除して平気なのか。盤石に見えた選挙戦に綻びが生じていることも、彼女がオンラインの“安全地帯”に逃げ込む要因だろう。

 そんな彼女が頼るのは、やはり印象操作だ。18日、公式ホームページ上に配信した動画はカネと手間をかけた立派な映像。弱者に冷たい女帝のイメージを払拭するように、小池は子供に絵本を読み聞かせ、台所で包丁を握るなど必死で「優しい女性」を演じる。しらじらしい姿が噴飯モノの「代理店丸抱えの引きこもり選挙」である。

 「公約に掲げた『東京版CDC(疾病対策予防センター)の創設』も単なる思い付きですよ。宇都宮健児、山本太郎両候補が街頭で訴えるように、小池知事は保健所の数を減らし、都立病院の独立行政法人化の方針を打ち出し、コロナ禍の医療逼迫を招いたのです。CDC創設など、どの口が言えるのでしょうか」(五十嵐仁氏=前出)

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6月19日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月19日付に掲載されたものです。〕

*記事「グダグダ小池氏が恐れる SNS世論と学歴詐称暴露本のヒット」

 何より論争から逃げても、SNS批判が広がる可能性がある。「女帝 小池百合子」についても、SNS上で〈震えながら読んでいます〉〈都知事選を前に読みたい1冊〉など話題になっている。

 朝日新聞によると、小池知事本人もSNSを気にしているようだ。小池知事に近い都議が「SNS世論を見て、知事はかなり動揺していた」と漏らしている。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「小池知事はオンライン選挙をすると言っています。自分の主張を一方的に訴えるのでなく、他候補と論戦してほしい。17日のオンライン討論はスムーズにできました。あの調子なら、公務の後でもできるはずです。もし、小池知事が論戦から逃げるようならネット世論が黙っていないでしょう」

 都知事選は7月5日が投開票の長丁場。小池知事の心中は穏やかでないはずだ。


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6月18日(金) 都知事選での反貧困人権派弁護士への支持を訴える [選挙]

 東京都知事選挙(7月5日投開票)が告示されました。コロナ禍が吹き荒れ安倍政権が末期症状を呈する下での首都での政治決戦が始まったのです。
 この選挙で、反貧困人権派弁護士への支持を呼びかけます。首都・東京での政治決戦で、宇都宮健児さんが当選すれば、命と暮らし、都民の生存権を守れる新たな都政を実現することができるからです。

 この選挙では、自民・公明の実質的な支援を受ける現職の小池百合子候補に対し、立憲民主・共産・社民などが支援する元日弁連会長の宇都宮健児さんをはじめ、れいわ新選組代表の山本太郎、日本維新の会推薦の元熊本県副知事小野泰輔などの候補が挑戦しています。野党支持の有権者からすれば、誰に入れたらよいのか判断に迷うところかもしれません。
 私は当初から宇都宮さんを支援しており、選挙の構図が固まった今も変わらず宇都宮さんを応援しています。それは4年前の八王子市長選挙で3度も応援していただいた義理があるからですが、もちろんそれだけではありません。
 知名度が高く大衆的な人気があるという理由で地方自治体の知事を選んできたことがどれほどの誤りであったのかは、石原・猪瀬・舛添・小池と続いた不毛な都政が証明しているからです。サラ金の被害者救済や貧困の解決のために力を尽くし、落選した後も都議会を傍聴するなど都政とのかかわりを持ち続けてきた真面目さと地道に取り組む「地味さ」こそが宇都宮さんの良さであり、きらびやかなパフォーマンスを繰り広げる現職知事とは対極にあると思うからです。

 特定の政党からではなく、市民と野党の支援を得ている候補者も宇都宮さんだけです。維新に推薦されている前熊本県副知事の小野さんは「野党系」とは言い難く、おそらく都議会自民党からも支持が流れるのではないでしょうか。
 れいわの山本さんは明らかな「野党系」で、条件さえそろえば野党共闘の候補者になれる人でした。それだけに今回の「後出しジャンケン」のような突然の立候補は、野党共闘にとってもれいわや山本さんにとっても、決してプラスにならない残念な対応だと言わざるを得ません。
 もちろん、立候補する権利は誰にでもありますから、それ自体を批判することはできませんが、それがどのような意味を持つのか、誰にとって有利になるのかを政治的に判断して行動するのが、あるべき政治家の姿ではないでしょうか。このような形で野党系の候補者が分立したことを小池さんは「ニンマリ」と眺めているにちがいありません。

 山本さんは野党共闘の有力な候補者の一人で、立憲民主党からも働きかけを受けていました。最終的にそうならなかったのは、次の総選挙で「消費税を5%に引き下げること」や「選挙運動の確認団体にれいわ新選組の名称を使うことが受け入れられなかった」からだそうです。しかし、これらはいずれも国政にかかわる問題であり、都政をめぐる見解の違いというわけではありません。
 しかも、「れいわ」の名称にこだわった理由も不可解です。今回の立候補も結局はれいわからということになりましたが、これは来年の都議選や間近に想定されている総選挙とかかわりがあるのではないでしょうか。
 都知事選を利用して、都議選や総選挙に向けて知名度を上げようという狙いがあったように見えます。つまり、野党共闘の発展や小池都政の転換という「大義」よりも、れいわという党名を浸透させる「党利」を優先したということになります。

 しかも、以前から山本さんは「総理大臣をめざす」と公言していました。その目標と都知事選への立候補はどのように整合するのでしょうか。
 もし、国政への足掛かりとして知事の椅子を利用しようというのであれば、小池現知事と変わりないことになります。「希望の党騒動」に示されているように小池さんが国政への野心を持ち続けていることは明らかで、知事であることは次への階段の一つにすぎません。
 市民と野党の共闘を拒んで立候補したことも、「自分ならそれでも当選できる」という自惚れが垣間見えます。総選挙に向けて市民と野党との共闘を発展させようとの配慮はなかったのでしょうか。

 山本さんは都民一人10万円の支給を打ち出し、その財源として地方債の発行を公約しています。しかし、地方債は自由に行えるものではなく総務大臣との協議が必要で、償還の期間も国債より短くなっています。
 また、前から指摘されているように、地球温暖化対策として原発廃止後のエネルギーを火力発電で調達するなど、疑問をもたれる点があります。華やかであってもリアリティーに欠ける公約という点では小池さんの方が上手ですが、他の候補者にも共通する問題です。
 この点でも宇都宮さんは一味違っており、派手でなくても地に足の着いた実現可能な公約を打ち出しています。政策面でも「地味さ」は武器だと言って良いでしょう。

 コロナ禍の下で、大型公共事業や開発優先ではなく、命とくらしを守ることが中心的な争点に浮上しました。「自粛から自衛へ」と言って自治体トップとしての責任を放棄してしまった現職知事を取り換え、マトモな知事を選ぶことこそが最適・最善の「自衛」ではないでしょうか。
 今日から始まる都知事選挙で、都民の皆さんが誤りのない選択をされることを願ってやみません。その結果次第では、黄昏迫る安倍政権の前途や来るべき総選挙も大きな影響を受けることになるでしょうから。

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6月17日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月17日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「東京アラートも“政治利用” 小池都知事には尽きない疑惑」

 しょせん、小池にとって政治や政策は中身ではなく、自分を魅力的に演出するためのもの。ファッションショーのようにとっかえひっかえするマスクと同じで、コロナ対策すらも弄んでいるようにしか見えない。感染や第2波に怯える都民を愚弄している。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「コロナという危機を利用して自らの売り込みを図る。小池氏のパフォーマンス政治は一貫しています。メディアに注目される中で、それを上手に利用して生き延びてきた人ですから、それは命が関わるコロナ禍においても同じなのです。先日、東京アラートを解除した際、小池氏は『自粛から自衛へ』と言いました。行政のトップが責任放棄してどうするのですか。もはや最大の自衛は、選挙でマトモな知事を選ぶことです」

 今度は騙されてはいけない。

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6月15日(月) コロナ禍の下で生存権を守るための都知事選挙 [論攷]

〔以下の論攷は、日本科学者会議の『東京支部つうしん』No.632、2020年6月10日付、に掲載されたものです。〕

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界的なパンデミックが生じました。このコロナ禍の下で、大きな政治戦が闘われようとしています。7月5日投票で実施される東京都知事選挙です。この選挙は、いつにも増して重大な意義を持つ選挙になっています。
 感染症の拡大によって現代社会が持っている問題点や矛盾、脆弱性が露わになりました。これを解決して都民の命と健康、くらし最優先で生存権を守ることのできる都知事を選び、効率・開発優先の都政を転換しなければなりません。PCR検査を抜本的に強化し、本格的な補償と支援を行うべきです。
 小池都知事は名前を売り込むテレビスポットを流したり、必要性のはっきりしない記者会見や動画配信を行ったり、コロナ禍を利用した選挙運動まがいの売り込みを図ってきました。安倍首相に比べればまだましに見えますが、それはマスク2枚の配布や自宅でくつろぐ動画の配信など、首相の対策があまりにも拙劣でピント外れであるための錯覚にすぎません。
 新自由主義の下、自己責任論を強めて福祉を削り、71ヵ所あった保健所を31カ所に削減するなど公的医療を縮小させ社会を支える基盤となる予算を減らしてきたのが、この間の都政運営でした、都立・公社病院の独立行政法人化を阻止し、医療体制の充実を図る必要があります。
 今度の選挙は小池都政に対する業績評価の機会でもあります。4年前に小池候補は築地市場の豊洲市場への移転見直しや五輪経費の見直しなどを主張しましたが、豊洲移転は延期しただけで五輪の負担軽減もできませんでした。「7つのゼロ」公約も、ペット殺処分を除けば、待機児童、介護離職、残業、電柱、満員電車、多摩格差などについては、どれも未達成か検証不能となっています。
 東京五輪については、延期による負担増の問題が生じました。航空機の羽田新ルートの受け入れやカジノ導入のための調査費の計上など、都民の要求に反する都政運営も目立ちます。これらに対する審判を下すことが必要です。
 また、今度の都知事選挙は末期症状を呈している安倍政権に対して「ノー」を突きつける絶好の機会でもあります。コロナ対策の遅れ、黒川検事長の定年延長と検察庁法改定の断念、賭け麻雀での辞任などをめぐって内閣支持率は急落しています。
 国政に対する国民の批判と怒りを政府・自民党にぶつけ、日本の政治を正すために、この審判の機会を生かすことが必要です。そのためにも、野党は共闘体制を確立し統一候補を擁立して欲しいものです。この選挙で野党共闘候補が勝利すれば、安倍政権に痛打を与えることができ、日本の政治を変えることができます。
 東京が変われば日本は変わります。今度の都知事選挙で、都民の生存権を守り、生活を支えることのできる都政を実現することによって、「ポストコロナ社会」にふさわしい共生と連帯の革新都政を実現しようではありませんか。

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6月13日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月13日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「圧勝暗雲 底なしになってきた「女帝」都知事の虚飾と疑惑」

 発売中の「週刊文春」や「週刊新潮」では、闇金業者からの違法献金や、親密企業への東京都からの巨額支出、金庫番の不動産取引による錬金術など、次から次へと噴出する疑惑が報じられている。

 「これまで小池知事は、どんな疑惑や疑念を持たれても、うまくはぐらかし、仮想敵をつくることで有権者の攻撃を自分からかわし、メディアを利用して、時に疑惑さえも自己PRに転化してきた。その場でウケることを考えているだけで、政治家としてのポリシーは何もないのだと思います。前回知事選で公約に掲げた『7つのゼロ』は、すっかり関心を失ったようで、話題にも上りません。今は『3密』のキャッチフレーズでコロナ禍を自分の選挙運動に利用している。知事が出演する東京都のコロナ対策CMがバンバン流れていたのがいい例ですが、CMの原資は税金です。連日の会見で“やってる感”をアピールするのも一種の選挙運動で、小池氏の都知事選スケジュールに合わせて、コロナ対策が決められているように見えます」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学) 

 小池の出馬表明に合わせたかのように、東京都は12日から「東京アラート」を解除し、休業要請をさらに緩和する「ステップ3」に移行すると発表。また、知事選の告示翌日の19日から、接待を伴う飲食店やライブハウスの営業再開も認めて、都の休業要請が事実上、全面解除される。

 「11日には新たに22人の感染者が確認されたのに、アラートを解除し、夜の街で感染者が増えていると言いながらステップ3に移行するなんて、論理的におかしい。疫学的にはまったく科学的根拠がない話です。小池知事の手腕でコロナ感染拡大を抑え込み、東京は営業自粛を全面解除できるほど安全になったという虚構のストーリーをアピールするために、都知事選に合わせて日程が組まれたのでしょう。感染実態も分からないまま、再選シナリオに振り回される都民は、たまったものではない。自らの野望のためならコロナ禍も利用する。こんな人に、都民の命や生活を預けられるでしょうか」(五十嵐仁氏=前出)

 経歴も実績も口先の広報で、その場さえ繕えれば、してやったり。小池の虚飾は、底なしになってきた。

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6月12日(金) 都政転換 人権派でこそ [コメント]

〔以下の談話は、『しんぶん赤旗』6月11日付に掲載されたものです。〕

 市民と野党の支援する候補者が宇都宮健児さんに決まって良かったと思います。個人的にも、4年前に八王子市長選に立候補したとき応援に来ていただきました。今度は、恩返しする番です。
 コロナ禍の下で、命を守り生存権を保障する都政の実現、大型開発優先から医療や福祉を大切にする都政への転換が大きな課題となっています。反貧困で人権派弁護士の宇都宮さんこそ、これを実現できる候補者です。
 小池知事の4年間、都政は常に「アラート」状態でした。「築地を守る」という約束、五輪経費の削減や(待機児童ゼロなどの)「ゼロ公約」は破られ、都立・公社病院の独立行政法人化、羽田新飛行ルート、カジノ容認など都民無視の政策が打ち出されました。学歴詐称の疑いも指摘されています。
 ウソをついて都民を裏切るような知事ではなく、真面目で誠実な宇都宮さんを共闘の力で当選させ、東京を変え日本を変えましょう。それは安倍首相にノーを突きつける一票にもなるにちがいありません。


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6月10日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月10日付に掲載されたものです。〕

*記事「辺野古“反対派”過半数も安倍自民「工事再開」のエゲツなさ」

 ところが菅義偉官房長官は、8日の記者会見で「(辺野古新設について)理解が進んでいるのではないか」と発言。安倍政権は、中断していた建設工事を、週内にも再開させるつもりだ。

 しかし、民意が示されたばかりなのに、こんな乱暴なことが許されるのか。

 「これまで沖縄県民は、何度も“辺野古基地新設ノー”の民意を示しています。知事選、衆院選、参院選、県議選、住民投票……。それでも安倍政権は基地新設を強行している。いくらなんでも常軌を逸しています。それに、辺野古の海は軟弱地盤なので、基地の完成は難しいでしょう。どうして辺野古に執着するのか理解不能です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 安倍政権がつづく限り、基地問題は解決しない。


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6月7日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月7日付に掲載されたものです。〕

*記事「麻生「民度発言」海外も報道 指摘された日本の高い死亡率」

 日本の死亡者数が欧米に比べて少ないのは「民度」ではなく、アジア特有の要因が原因となっている可能性がある。欧米で流行しているウイルスは、アジアよりも強毒だとの指摘もある。

 なのに、エビデンスも示さず「日本は民度が高いから」と、他国をおとしめたと取られかねない発言を国会でしているのだから、この男は、本当に懲りない。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「日本の死亡者が少ない理由について、国民皆保険やBCGをあげる声がありますが、それは“民度”ではなく“制度”の問題です。さらに、ハグをしないから、家の中では靴を脱ぐから、マスクが定着しているから、という意見もありますが、これらも“民度”ではなく“生活様式”の違いです。なのに、麻生さんは民度を持ち出している。まさにナチスの発想ですよ。民度発言は、ここ数年、流行している“日本はスゴイ”現象の延長です。自信を失った裏返しで、なんでも“日本はスゴイ”と思いたがってしまう」

 世界中があきれているのではないか。


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6月6日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月6日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「小池都知事にはウンザリ 世にもバカバカしい東京アラート」

 東京都知事選(来月5日投開票)の18日告示まで2週間を切る中、都内では「東京アラート」が発動中だ。新型コロナウイルスの感染再拡大の兆候があるとして、都独自の警戒情報が2日に初めて出され、東京湾のレインボーブリッジや新宿の都庁が真っ赤にライトアップされている。

 それで、都民の暮らしが新たな制約を受けるのかといえば、何も変わらない。緊急事態宣言下のような「人との接触機会8割削減」を求められることもなければ、休校もない。休業要請解除に向けて都が策定したロードマップの段階も、1日に移行した「ステップ2」をキープ。アラート発動による変化といえば、「夜の街に繰り出すのは控えて」「3密は避けて」といった注意喚起が強まっただけ。小池知事は「仕事を続けていただくためにも、『新しい日常』やガイドラインに沿った事業を進めていただきたいという強い思いの表れだ」と言っていたが、かえって混乱している都民は少なくないんじゃないか。

■繰り広げられる「惨事便乗型選挙運動」

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。

 「東京アラートの発動は小池知事の“やってる感”の演出以外にほとんど意味がない印象です。再選をうかがう都知事選の告示が迫る中、コロナ対策に精いっぱい取り組んでいる姿勢をアピールしたいのでしょう。少なくない国民、都民が感染や生活不安を抱える中、不幸を利用した『惨事便乗型選挙運動』と言っていい」

 夜の街クラスターを諸悪の根源のようにあげつらうのだったら、「接待店」に補償を出せば済む話だろう。都は4月16日から5月25日まで休業要請に応じた店舗に感染拡大防止協力金を支給するため、「貯金」に当たる財政調整基金の95%近くを取り崩した。残金は500億円ほどで、ない袖は振れないと突っぱねているが、果たしてそうなのか。

 「実施延期で追加負担の懸念が高まっている東京五輪をめぐり、小池知事は簡素化に言及しましたが、なぜ当初から切り込まなかったのか。都の予算規模は北欧スウェーデンの国家予算に匹敵するほど。五輪費用をはじめとする不要不急の事業を削減し、予算を組み替えればコロナ関連の支援金は十分に捻出できるでしょう。本来は国がやるべきことではありますが、首都のトップとして感染リスクと倒産リスクの究極の選択を迫るのではなく、キチンとバックアップすべきです」(五十嵐仁氏=前出)

 一方、安倍政権は第2波に備えるとの名目で第2次補正予算案に予備費10兆円を計上。総額の3分の1を国会の承認を得ずに裁量支出できるようにしたのは、会期末の17日に国会を閉じるため。あまたの疑惑を抱える安倍首相が野党の追及から逃れるためだ。首都のトップも国のトップも頭にあるのは保身だけ。コロナを弄んでいるとしか思えない卑しい政治家ばかりじゃないか。

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