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6月2日(火) 黒川辞任で安倍「一強」体制に陰りが生じ官僚も背を向け始めた [内閣]

 前東京高検検事長の黒川弘務さんに対する訓告処分に国民の7~8割りは納得していません。捜査をやり直して懲戒処分とし、退職金の支払いを停止するべきです。
 安倍政権はこの間の経緯について説明を行い、国民を納得させる義務があります。恣意的な定年延長を可能とする検察庁法改定案を切り離し、撤回して廃案にしなければなりません。

 もともと黒川さんは定年で辞めるつもりで、弁護士事所を用意して送別会も準備してあったというではありませんか。その意向を汲んで法務・検察側が昨年11月に黒川退職の案をもって行ったところ、官邸側に突き返され定年延長の案に切り替えたという経過でした。
 この延長を正当化するために検察庁法の解釈を変更し、さらにそれを合理化するために法律そのものを変えようとしたために、今回の混乱が始まりました。桜を見る会と河井夫妻の選挙違反事件についての捜査が身辺に及ぶのを恐れ、「官邸の守護神」である黒川さんを残留させて検事総長に据えようとしたためです。
 結局、賭けマージャンがすっぱ抜かれて黒川さんは辞任せざるを得なくなり、この官邸の目論見は潰えることになりました。それを糊塗するために、今度は懲戒処分を突き返して退職金を受け取れるようにし、「トカゲの尻尾」として切られた黒川さんが余計なことをしゃべらないように「口封じ」の追い銭としたわけです。

 このような経過については国民の多くが目にしてきたことであり、マトモな判断能力を持つ人であれば誰でもそのおかしさに気がつくはずです。だからこそ、7~8割の人が納得いかないと答えているのです。
 黒川さんの賭けマージャンが「常習化」され、公務員としての服務規定に違反していたことも明らかです。緊急事態宣言の間には5月1日と13日だけでなく他にも2回、計4回もやっており、過去3年間に毎月1~2回繰り返されていたことも判明しています。
 3年間といえば36ヵ月で、月に1回なら36回、2回なら72回になり、それ以前の10年前からも毎月複数回雀荘に通っていたといいます。ほとんど麻雀中毒で、これこそ「常習化」そのものではありませんか。

 相手をしていたのは産経新聞の記者2人と朝日新聞社員の元記者でした。朝日新聞の社員が停職1カ月の懲戒処分になったのに、公務員で社会的責任を問われる検事長がそれよりも軽い処分で済まされているのも納得できません。
 これらの記者及び元記者について、取材活動との関りで「一概に否定できない」と弁護する声があります。もし、取材対象との距離を縮めて事実を報ずるためにとられたやむを得ない付き合いだったというのであれば、今こそそれを生かすべきでしょう。
 賭けマージャンの実際はどのようなものだったのか、自分の家で場所を提供していた産経新聞の記者であれば、いつどのようにやったのか、実際の回数や掛け金の額、勝ち負けの様子について、こと細かく書くことができるはずです。朝日新聞の元記者も結果的に「参与観察」していたのですから、昔の手帳でもひっくり返してぜひ詳細なルポを新聞紙上に発表して貰いたいものです。

 黒川さんの処分については官邸が手心を加えた事実が法務・検察側によってリークされました。稲田検事総長も訓告処分への自らの関与について否定しています。
 新型コロナウイルスへの特効薬として安倍首相が力説していた「アビガン」については、厚労省から拙速な承認を警戒する声が上がっています。もし将来、薬害が生じたら責任を取らされるのは安倍さんではなく直接関与した厚労省の役人だからです。
 安倍首相が前のめりの姿勢を示していた9月入学についても、事実上の見送りがきまりました。公立小中学校の一斉休校や9月入学に反発していた文科省が難色を示したためです。

 安倍内閣への支持率が急落するにつれて「一強」体制に陰りが生じ、安倍首相の意向を忖度していた省庁や官僚がジワリと背を向け始めたようです。安倍首相はかなり焦っているのではないでしょうか。
 加えて、捜査が進んでいる河井夫妻逮捕の可能性もささやかれています。その「Xデー」は通常国会が閉会する翌日、6月18日ではないかというのです。
 この日は東京都知事選挙が告示される日でもあります。果たして、史上初めてとなる現役国会議員夫妻のダブル逮捕となるのか、大いに注目されるところです。


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