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7月5日(日)  『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月5日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「大メディアは小池知事“口だけ”都政の検証をしないのか」

 4年前の都知事選では都政を「ブラックボックス」と断罪し、情報公開を掲げて喝采を浴びた。ところが小池都政では意思決定のブラックボックス化がますます進んでいるのが実情だ。

 豊洲市場の移転問題でも、検討過程の記録が残っていなことが問題視されると、小池は「文書が不存在なのはAIだからです」とすっとんきょうなことを言い出したものだ。「人工知能というのはつまり、政策決定者である私が決めた」と言ってのけた。「私がAI」とは……。こんなふざけた発言を許す大メディアもどうかしているのだが、今回のコロナ対策も、誰がどうやって決定しているのか判然としない部分が多い。またしても、AIが決めていると言うのだろうか。

 「東京都のコロナ対策は、小池都政がいかに無能で無策かを表しています。その結果が100人超という感染者数で、自粛期間の都民・国民の努力は何だったのかと怒りの声が上がって当然なのです。ところが、都知事選ではコロナ禍を理由に論戦にも出てこない小池氏が圧倒的優位に立っているという不思議。テレビ討論には応じないのに、連日の記者会見で“やってる感”をアピールして、危機に便乗した選挙運動を展開しています。都合のいい形でテレビを利用しているのですが、大メディアも小池氏の会見中継で視聴率を稼ぎたいから、表立って批判をしない。4年間にわたる都政で公約がほとんど実現されていないことも、目先のコロナ感染者数にかき消されています。こうして口だけ都政の検証もろくにしないまま、小池氏の再選が濃厚という異様な選挙戦になっている。この先もコロナ対策を小池氏に任せることになれば、都民の暮らしが守られないことは明白です。そう指摘する役割を大メディアが放棄している以上、都民自身が真剣に投票行動を考えなければなりません」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 コロナ対策は待ったなしで、都政の空白は許されない。空白ならまだマシで、キャッチフレーズばかりで何もしない小池都政が続けば、危機は高まりマイナスが増える一方だ。地獄の4年間が待っている。

 5日が投票日の都知事選は、都民にとって、自分たちの生活を左右する重要な選択だ。誰になら任せられるのか、真剣に考えないと取り返しのつかないことになる。



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