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8月19日(水) ただちに臨時国会召集を [コメント]

〔以下の談話は『しんぶん赤旗』8月18日付に掲載されたものです。〕

 〝逃げ〟は通用しない

 通常国会が閉会(6月17日)してから2カ月が過ぎました。新型コロナウイルス感染症が広がるなか、安倍政権は、憲法53条に基づいた野党の臨時国会召集要求も無視して、10月末以降まで臨時国会を開かない構えです。問題が山積みなのに国会を開かなくていいのか。五十嵐仁・法政大学名誉教授に聞きました。(佐藤高志)

 政府のコロナ対応には今、多くの国民が疑問を持っています。コロナの感染が拡大しているのに、観光支援策「Go To キャンペーン」で旅行を促す一方、PCR検査の拡大・強化や感染予防は自治体や個人に責任転嫁しようとしている。他方で、お盆休みは県をまたいでの移動を控えるよう促す自治体もある。まるで〝アクセルを踏みながらブレーキをかける〟状態に混乱が広がっています。

 役割果たすとき

 安倍政権が国会を開かず、側近の声に頼ってコロナ対応を行ってきたツケが明確にあらわれています。国会で問題点をきちんと明らかにしたうえで政策を転換しなければ、ますます事態は悪化していくことになりかねません。国会を開いて与野党の衆知を結集することが、まともなコロナ対策を生み出す最低条件だと思います。
 与党は、国会を開かない理由として審議すべき法案や予算案がないことを挙げていますが、理由になりません。国会には、法律を制定する立法機能だけでなく、行政のあり方について議論し、ただす行政監視機能があります。
 さらに、予算についても国会審議にもとづいて執行するというのが財政民主主義のあり方です。第2次補正予算で10兆円もの予備費を計上していますが、国会審議を避けるために、あらかじめ多額の予備費を計上しておくというやり方自体が間違っています。その使途についても、きちんと国会でチェックしなければなりません。
 しかも、コロナ対策としても、損害を補填する〝補償〟付きの〝自粛要請〟にすべきだという声が、生きるか死ぬかの瀬戸際に追い込まれた中小業者や感染症対策の専門家からもあがっています。国会で議論して、法律や対策をもっと適切なものに変えていくことも必要だと思います。

 〝国会開け〟72%

 安倍晋三首相は、国会を開けば「森友」「加計」「桜」「河井夫妻」の問題など、自身にかかわる様々な疑惑が追及されるということを恐れ逃げているのかもしれません。しかし、内閣支持率が上がるか下がるかよりも、今は国民の命と生活が守られるかどうかが問われているのです。政権より国民の命の方が大切だということが分からないのでしょうか。
 しかも、臨時国会召集要求に政府は応じなければならない法的義務があります。那覇地裁は今年6月、憲法53条により臨時国会の召集を求めた場合、内閣が国会を召集する憲法上の義務を負い、「(召集しなければ)違憲と評価される余地はある」との判決を出しました。
 安倍政権はこれまで憲法53条に基づく臨時国会召集を無視し続けてきましたが状況は変わっています。自らの疑惑逃れのために国会を開かないというのはもう通用しません。
 NHKの世論調査では、72%の人が臨時国会を開くべきだと答えています。安倍首相は、ただちに国会を開いて英知を結集すべきです。


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