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9月3日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』9月1日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「総裁選でピエロになった石破と岸田 無様と無残、その大罪」

 既に菅は国会議員票(394票)の過半数を固め、アッという間に盤石の構え。自前の総裁候補を持たない派閥に支持される構図は、長期政権が人材育成を怠ってきたツケ。常に安定を求め、寝首をかきそうな「ポスト安倍」候補を潰してきた皮肉な結果の表れでしかない。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「『妖怪』や『長老』と称される実力者に総裁候補がこびを売り、一握りの大物が党員投票すら潰し、派閥中心の多数派工作を先行させる。まさに密室談合・派閥政治の古い自民党そのものです。そもそもコロナ対策も経済政策も行き詰まり、政権を放り投げた『安倍路線』を引き継がれても、国民にはマイナスでしかない。それでも『勝ち馬に乗れ』と党内が菅支持一色に染まるのは、安倍路線から政治的枠組みを変えずに既得権益を守りたいだけでしょう。これで国民も『よし』とすれば、ただでさえ7年8カ月の安倍政権でガタガタの日本の民主主義へのトドメとなります」

 菅は次の総理の大本命に躍り出たことに喜びを隠せないのか、定例会見でも笑みをこぼす場面が目立つ。この冷笑こそ、民主主義崩壊へのシグナルである。

 今やピエロと化した石破と岸田の罪は重い。この総裁選で惨めな2人の政治生命が抹殺されれば、本当に日本の民主主義は崩壊しかねない。

 「既得権益を手放したくない権力亡者がはびこり、それに皆がすり寄る。この腐敗構造のまま、菅政権が誕生し、長期化しようが、短命で終わろうが、自民党が変わらなければ同じことです。今回、出馬を辞退した新しい世代の候補が次の総裁選に名乗り出ても、権力亡者にひれ伏す構造が温存されれば何も変わりません。政治を変える目が必ず封じ込まれてしまうだけです」(五十嵐仁氏=前出)

 時代に対応して変化する自浄能力を失った政治に未来はない。次の総選挙で自民党が下野しない限り、菅暗黒政権を生み出した構図は永遠に続くことになる。


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