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10月6日(火) 菅新政権をどう見るか―安倍なき「安倍政治」を受け継ぐ亜流政権(その2) [論攷]

〔以下の論攷は、東京土建一般労働組合の機関紙『かんせつ』第2331号、2020年10月2日付に掲載されたものです。2回に分けてアップさせていただきます。〕

 「負の遺産」を受け継ぐ
 改憲への憲法審査会に意欲

 菅新政権は「安倍政治」が残した「負の遺産」まで継承しようとしています。長期政権の驕りや強権政治、政治の私物化として大きな批判を浴びた「森友・加計」「桜を見る会」や河井夫妻の大量買収事件など、「安倍政治」の闇を支えてきたのが菅官房長官だったからです。
 総裁選に際しても、森友問題などへの再調査を拒否し、官僚の忖度を強めた内閣人事局を見直さないばかりか、政権の決めた政策の方向性に反対する幹部は「移動してもらう」と明言しました。改憲と立憲主義の破壊についても、安倍首相の改憲路線を受け継いで憲法審査会を動かすことに意欲を示しています。
 また、総裁選で首相の国会出席について問われた菅さんは「大事なところで限定して行われるべき」だと主張しています。官房長官時代、憲法53条に基づく臨時国会召集要求を拒んだ安倍首相を支え、記者の質問にまともに答えようとしなかった菅さんらしい対応だと言えるでしょう。
 森友や河井夫妻の事件については裁判が進行中で、今後、新たな事実が出てくる可能性があります。再調査を実施し、記録の保存と公文書管理の適正化を図り、政策形成過程の事後検証が可能なようにしなければなりません。国民の知る権利と報道の自由を阻害してきた官邸支配とマスコミ統制をやめ、内閣人事局の運用改善と恣意的人事の防止にも、ぜひ取り組んでもらいたいものです。

 総選挙で決着つけ政治をグレートリセット

 今回の自民党総裁選に立候補した石破元幹事長は、「納得と共感」をスローガンに「グレートリセット」を主張していました。しかし、総裁選で示されたのは、このような主張を受け入れる余地が今の自民党にはないということです。もはや自民党は、歴史的役割を終えたことになります。
 大きくリセットしたのは野党の方です。大きな塊として新たに立憲民主党が発足し、市民と野党の共闘における新たな可能性が生まれました。「安倍政治」の継承を許さないために、総選挙で決着をつけ、日本政治の「グレートリセット」を実現することが求められています。

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