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1月31日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』1月31日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「悪夢のような菅政権 腐った与党より野党の方がずっとマシ」

 自民党は安倍・菅と続く8年にわたる長期政権で、国民の生活が目に入らない「オレ様政党」になってしまった。慢心の行き着いた先が、国民に大人数での会食自粛を求める中での菅と二階の「高級ステーキ会食」だ。「8人で会っただけで、飯を食うために集まったんじゃない」と二階は開き直ったが、政権幹部が厚顔だから、下もユルユル。松本純国対委員長代理が緊急事態宣言下の深夜に、銀座のクラブをハシゴしていたことがスクープされただけでなく、連立を組む公明党の遠山清彦幹事長代理の銀座のクラブ活動も発覚。まさに「鯛は頭から腐る」である。

 松本と遠山は党の役職を辞任、両党のトップは「迷惑をかけた」(公明党・山口代表)、「私どももすみません」(菅)と互いに謝罪し合ったというが、謝るべき相手は国民だろう。

 許せないのは、そんなフザけた政権が、国民に対しては刑事罰の導入を強行しようとしたことだ。政府は感染症法の改正案で、入院措置を拒んだ患者に1年以下の懲役か100万円以下の罰金を科そうとした。与野党協議の結果、前科の付く刑事罰は見送られ、50万円以下の過料という行政罰に修正されたが、破廉恥極まりない。

 そのうえ、罰則導入については、15日に開かれた厚労省の感染症部会で慎重な意見が多数だったことも分かった。それなのに田村厚労相は国会で「おおむね賛成だった」と答弁していたから大問題だ。反対意見多数が明記された議事録は、27日夜まで公開が遅れ、立憲民主党など野党は「隠蔽だ」と非難している。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。

 「菅政権はコミュニケーション能力がないため、国民に理解を求め、自発的に協力してもらうことができず、罰則という力ずくで従わせようとする。さらには、専門家が罰則導入に反対意見だったのに、学術的知見を軽視する。一種の反知性主義でもあります。緊急事態宣言下に銀座のクラブへ行くという行動もそうですが、長期政権の成功体験で今の与党には緊張感がなくなっている。国民に寄り添い、弱者の声に耳を傾けることもない。激しく劣化してしまいました」


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