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2月9日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月9日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「居直り答弁に国民はア然だ 菅首相の鉄面皮と弱腰野党」

 8日解除されるはずだった緊急事態宣言が、栃木県をのぞく10都府県で約1カ月の延長期間に入った。

 7日国内で新たに確認された新型コロナウイルス感染者は1631人と、6日ぶりに2000人を下回った。東京は429人で、10日連続で1000人を下回り、西村担当相が当初、宣言解除の目安として挙げた「1日当たり500人以下」をクリアする水準になってきた。 

 すると、さっそく政府内から出てきたのが緊急事態宣言の解除を急ぐ声だ。10都府県について、これまでも期限前の解除もあり得ると言っていたが、今週中にも解除の判断を検討するという。12日に専門家らの諮問委員会と対策本部の開催が予定されていて、そこで判断する可能性もある。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「緊急事態宣言の延長を決めたばかりなのに、早くも解除に舵を切ろうとしている。この政権がいかに場当たりかということを表しています。そもそも、感染者数が減ってきたのは多くの国民が努力と我慢をしてきたからであって、政府が何か有効な対策を打ったわけではない。まるで政府のコロナ対策がうまくいって宣言解除が早まったように喜ぶのは違うし、新規感染者数が減っても死者数が急増している。問題は、これが人災だということです。GoToキャンペーンで全国に感染を広げた反省はあるのでしょうか。キャンペーンを再開するために緊急事態宣言を早期に解除しようとしているのなら、目も当てられません」

 世界80カ国・地域で新型コロナワクチンの接種が始まっているのに、なぜ日本では、まだなのか。欧米よりもはるかに感染者数が少ないのに、自宅療養患者が亡くなるような医療崩壊を招いたのはなぜなのか。 

 ワイドショーでは蓮舫の追及が「おじいちゃんをイジメているように見える」などというタレントの発言を垂れ流していたが、菅はただの弱々しいおじいちゃんではない。この国の最高権力者だ。しかも、弱者に目を向けようとせず、「最終的には生活保護がある」などと言って突き放し、国民をイジメている側なのである。

 「首相はあらゆる問題について、最終的な責任がある。それを追及されるのが嫌なら辞めるべきです。いまだに頭の中は官房長官のままで、政権に降りかかる厄介事を振り払うのが仕事だと思っているのでしょうか。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、女性差別意識に満ちあふれた暴言を吐いた問題にしても、菅首相は『あってはならないこと』と言っていましたが、だったら、なぜ辞めさせないのか。これだけ世界的な問題になっていて、森会長に辞任を迫れるのは首相だけなのです。官僚機構や日本学術会議の人事には必要以上に手を突っ込んできたくせに、森会長の処遇に関しては、まるでトバッチリのような態度で他人事を決め込んでいる。組織委も内閣も、その任にふさわしくない人物がトップに立っていることは、日本にとって不幸でしかありません」(五十嵐仁氏=前出)

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