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3月24日(水) 河井克行元法相の議員辞職が露わにした自民党の劣化と無責任 [自民党]

 これは「出来レース」だったのではないでしょうか。河井克行被告の「心変わり」による議員辞職です。
 2019年参院選の大規模買収事件で公職選挙法違反に問われていた元法相で衆院議員の河井克行被告はこれまで否認していた選挙買収を一転して認め、議員辞職を表明しました。辞職に伴う補選は行われず次期衆院選に吸収されます。
 自民党にとってはまことに都合の良い「心変わり」です。両者が相談したうえでのシナリオだったのではないかと疑われるも当然です。

 自民党の二階幹事長は同日、さっそく記者会見を開いてこう発言しました。「本人も反省しているようだ。自民党としても他山の石としてしっかりと対応しなければならない」
 自民党にとって克行被告の証言は政権を揺るがしかねない爆弾になる可能性がありました。妻で元参院議員の案里氏の選挙には自民党から1億5000万円が支出されていたからです。
 その行方について案里氏は「主人に任せていた」と証言しており、公判が続けば、このお金の流れが追及されかねませんでした。しかし、争うことがなくなれば、そのような可能性はほぼ消滅します。

 河井氏の辞任によって、これまで法廷で嘘をつき続けていたことが明らかになりました。妻の選挙での買収のために現職の国会議員が現金2900万円をばらまいていたことを認めたのです。
 このような人物を議員候補者として応援して当選させ、法務大臣に任命した自民党と安倍前首相の責任は重大です。しかも、二階幹事長は「他山の石」だと発言しました。
 河井氏は他党の議員ではなく自民党の議員ですから「他山」ではなく「自分の党」、すなわち「自山の石」ではありませんか。二階幹事長の発言は自民党の劣化と無責任さを露わにするものだと言わなければなりません。

 河井氏がこの時点まで嘘をつき続けたのは補選への合流を避けるためであり、歳費やボーナス約5000万円を受け取るためだったと思われます。あわよくば実刑を避けて公民権停止を逃れ、復活の芽を残したいと考えていたのでしょう。
 しかし、すでに妻の杏里被告が有罪確定になり、多くの証人も買収の事実を証言しているため言い逃れることは難しいと判断したにちがいありません。1億5000万円の金の流れを追及されることも4月25日の参院広島選挙区での再選挙への悪影響も避けたいということで、今回の辞任表明になったと思われます。
 とはいえ、河井被告が裁判で実刑になる可能性は高く、公民権停止で選挙に出られなくなるにちがいありません。その前に記者会見を開いて謝罪し、1憶5000万円のお金の流れを始めとした選挙買収の真相を明らかにするべきではないでしょうか。

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