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6月1日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月1日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「「五輪が始まれば皆熱狂」 菅首相の発想はヒトラーと同じ」

 理念もなく、経済効果もなく、意義もない。そんな五輪に執着する菅の目的は政権浮揚と保身だ。

 「五輪が始まれば皆熱狂する」という発想は、1936年のベルリン五輪を開催したヒトラーのナチスを彷彿させる。「パンとサーカス」にたとえられる愚民政策に五輪をトコトン利用し、メディアを総動員して「アーリア人の優秀性」を喧伝。89個ものメダルを獲得して他国を圧倒し、国民を熱狂の渦に巻き込み、思考停止に陥らせたのである。これぞまさに、菅が思い描く「メダルラッシュのオールジャパンの祭典」である。

 だが、そうは問屋が卸すものか。メダルラッシュに沸いたとしても、それは選手を称えるものであり、菅内閣の支持につながることはない。むしろ感染拡大で政治責任を追及されるリスクの方が高いだろう。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「五輪を開催すれば、政権にとってプラスという状況ではありません。医療資源の奪い合いなどさまざまな問題が噴出している。『五輪がなければ私の親は死ななかった』といった恨みや怨嗟の声が政権に突き付けられることになりかねない。『五輪なんて、やらなきゃよかった』という悲惨な結果になるのではないか。菅首相は、そんなに五輪を開催したいのなら、なぜもっと徹底的に感染対策に取り組み、早くからワクチン接種を進めなかったのか。五輪開催のための前提条件を崩したのは菅首相自身です。この期に及んでの五輪強行はメンツと意地の塊だと、国民にはミエミエです」

 これ以上の国民愚弄を許してはならない。

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