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7月8日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月8日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「選挙全敗の菅首相 このまま衆院選突入とは自民党もいい度胸」

■もはや党首の存在自体がスキャンダル

 つまり開催都市の民意は「五輪は中止」「せめて無観客」。それがハッキリ示されたのに、菅は平然と「5者協議の中で最終的に決める。選挙の結果にかかわらず」と言い放ち、国民と対話する気などみじんもない。

 コミュ力ゼロで反省するそぶりもない鉄面皮が、いまだ政権政党の「選挙の顔」。秋までには絶対に行われる総選挙を控え、「菅降ろし」が表面化する兆しすらない自民も、国民にケンカを売ったも同然である。

 「昔の自民なら都議選開票と同時に即、政局でしたよ」と、法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「タカ派からハト派まで各派閥が競い合い、『疑似政権交代』が可能な多元性こそ、かつての活力源でした。ところが『安倍1強』にあぐらをかき、気づけば風に乗って当選を重ねた若手のイエスマンだらけ。前首相が後継候補を徹底的に干したせいもあり、今や衆目の一致する『ポスト菅』が枯渇。多様性は消滅し、活力を失っています。コロナと五輪を前に思考停止に陥り、衆院選も菅首相と抱き合い心中。『五輪がある程度成功し、ワクチンも国民に行き渡れば勝てる』と、はかない望みを託すオメデタ政党に成り下がっています」

 都議選で時の首相が告示日以外に表舞台に立たなかったのは、1989年の宇野宗佑元首相以来の珍事だ。「3本指」の女性スキャンダルで猛反発を招いた宇野と違って、もはや菅は存在自体がスキャンダル。選挙全敗首相で衆院選突入とは、自民党もいい度胸だ。

 前出の五十嵐仁氏は「立憲が本気なら連合に振り回されないこと。それなしには、生活に悲鳴を上げる国民の怒りと苛立ちの受け皿になり得ない」と語った。

 一定の影響力を有するだけで満足し、万年野党に甘んじる永田町のぬるま湯から立憲が抜け出さない限り、この国に未来はない。

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