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7月19日(月) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月18日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「恐らくテレビの実況だけ大騒ぎ 東京五輪はドッチラケ」

 東京都のモニタリング会議は、足元の増加ペースが続けば8月11日には新規感染者は2406人に達し、入院患者も2000人を超え、「医療提供体制は逼迫の危機に直面する」と警告を発している。
 
 「緊急事態宣言」が発令されている東京は、感染爆発の「第5波」に突入した可能性が高い。命と健康が脅かされているのに、お祭りムードになるはずがない。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「高揚感どころか、国民の大半は『本当にオリンピックをやって大丈夫なのか』『感染が拡大してしまうのではないか』と危惧し、身構えているはずです。読売新聞の世論調査でも、いまだに国民の41%、都民に絞れば50%が“五輪中止”を求めている。大変な時に大規模イベントがやってきた、というのが国民の本音でしょう。しかも、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長は『コロナリスクを五輪に持ち込むことはない』と強弁していますが、大会組織委員会が誇る“バブル方式”は、いくつも穴が見つかっている。そもそも、外国から10万人も来日するのに、管理できるはずがありません」

 たしかに、日本人は“五輪好き”だが、さすがにメディアが五輪フィーバーをあおっても、もうだまされないのではないか。

 「この1年間で、日本国民の“五輪への幻想”は、はぎ取られたと思う。五輪貴族の傲慢な振る舞いも、IOCの拝金主義もよく分かった。バッハ会長は『東京大会のために我々は犠牲を払わなければならない』と発言し、最古参のパウンド委員は『菅首相が大会中止を求めたとしても、開催される』と言い放っています。日本人は、税金を使われ、健康を脅かされ、五輪開催のために自粛まで強いられているのに、五輪貴族はこの態度です。多くの日本人が“五輪嫌い”“IOC嫌い”になったはず。しかも、無観客となり、もはや五輪ではなく単なる記録会になった。もちろん、日本人選手を応援し、メダルを取れば喜ぶでしょうが、それで五輪への不信感が消えることはないでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

 テレビ局だけが“バカ騒ぎ”では、いまから国民も憂鬱に違いない。


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