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8月19日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』8月19日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「医療崩壊でもパラ強行 無能錯乱首相を担いだ自民党の大罪」

 24日の東京パラリンピック開幕まで1週間となった17日、日本選手団の結団式が都内で行われた。菅もビデオメッセージで登場。「選手のみなさん、東京パラリンピックの出場本当におめでとうございます。新型コロナでみなさんの今日までの道のりは大変なものだったと思います。選手のみなさんが限界に挑戦し、壁を乗り越えていく姿に世界中の方々が感動し、勇気づけられることでしょう」とエールを送った。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「これだけ全国的に感染が拡大しているのに、パラを強行するとは政府に危機感がなさすぎる。もちろん、練習を重ねてきたパラ選手にも活躍の場ができればいいと思います。しかし、五輪を開催したことで国民の間に楽観バイアスが広がり、緊急事態宣言の効力が失われて、この深刻な感染爆発を招いたことは疑いようがないでしょう。同じ過ちをもう一度、繰り返そうというのか。五輪開催直前、菅首相は米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューで『五輪をやめることは一番簡単なこと、楽なことだ』と話していました。だったら中止すればいいのに、それすらできない。パラ大会にもストップをかけられないのは、国民やパラ選手の命を守るという立場に徹し切れていない証拠で、惰性の成り行き任せになっているようにしか見えません」

 党員・党友投票を求める自民党議員の3分の1を超える署名が提出されても執行部は受け入れず、派閥の論理で菅首相に決まった。トップを緊急避難的にスゲ替えて、権力構造を維持しようとしただけなのである。それから1年も経っていないのに菅降ろしとは、節操がなさすぎるのではないか。

 「安倍悪政の負の遺産を隠蔽・封印するための総裁選でした。国民の声に支えられ、主流派に対抗しうる石破元幹事長を寄ってたかって潰しにかかった。その石破潰しのツケで、菅政権も自民党もニッチもサッチも行かなくなっているのが現状です。今ごろになって、自民党議員が『菅首相では選挙を戦えない』などと言うのは責任放棄ですよ。本気で国民生活を考えるなら、安倍悪政の隠蔽を優先することなく、もっと早く、マトモなトップに代えるべきだった。官邸の判断に従うだけで“寄らば大樹”でやってきた自民党は腐りきっている。菅首相ではダメだと言うのは勝手ですが、そういうトップを圧倒的多数で選んだ自民党議員にも共同責任があります」(五十嵐仁氏=前出)

 もう自民党は懺悔しておとなしく下野すべきだろう。失政の隠蔽、強弁、糊塗ばかりの安倍・菅の悪政をきっちり清算しないかぎり、この国に未来はない。

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