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9月30日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』9月30日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「茶番劇の総裁選がようやく終わった さあ次は政権交代」

 参院選広島選挙区が舞台となった大規模買収事件もウヤムヤにされかねない。安倍の肩入れで党本部が河井夫妻に提供した1億5000万円の使途をめぐり、柴山幹事長代理は「買収資金ではない」とする河井側の報告資料をそのまま発表。機関紙の作成に大半を投じたとの主張にもかかわらず、裏付けとなる領収書なども示さず、「私どもとしてできうる最善」と居直った。カネを差配する立場にあった二階幹事長も「あれ以上の説明はありますか」とスゴみ、「詳細は承知していないが、こういうことが再び起こらないことを願いたい」とまるで他人事。票欲しさにタヌキおやじを詣でる河野、高市の節操のなさといったらない。

 だいたい、根拠薄弱な「突破力」を売りにする河野は安倍・菅政権で要職に就き続け、コロナ失策で菅が追い込まれたのに名乗りを上げる厚顔無恥。「政高党低でなければ困る」と断言し、安倍1強の負の遺産のひとつである官邸主導を評価したのもある種の秋波なのか。安倍の全面支援を受けたウルトラ右翼の高市は言うに及ばず、「岸田さんはしっかりしてきた。たくましくなった」とかいうキングメーカー気取りの安倍発言をありがたがる岸田。誰が勝っても、悪はのさばり続けるのだ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。

 「自民党がいかにアベ支配に毒されているかが、総裁選でハッキリしました。安倍前首相との近さが新総裁の前提条件であり、反アベを掲げればもはや立候補すらできない。異端児と評されてきた河野大臣が持論の脱原発を修正し、安倍前首相にスリ寄ったのが象徴的です。国民政党を掲げてきた自民党は多様性を失い、振り子の論理による疑似政権交代すら起こせなくなった。世論とは真逆の方向へ突き進んでいます。多くの国民が求めているのは表紙の差し替えではなく、本そのものの新調です。それは政権交代でしかなし得ないという現実を総裁選はわれわれに知らしめた。野党は好き嫌いを横に置き、国民民主党を含むすべての勢力を結集し、今までにない反自民の受け皿づくりを急ぎ、関ケ原の戦いのような構図を示さなければなりません」

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9月29日(水) 野党連合政権の樹立で日本の食と農を救おう [論攷]

〔以下の記事は、農民運動全国連合会(農民連)の機関紙『農民』第1474号、2021年9月27日付に掲載されたものです。〕

 国の進路と農林水産業の命運をかけた歴史的な総選挙

 万策尽きた上での政権投げ出し

 「パンケーキ」の賞味期限がきたということでしょうか。菅義偉首相が自滅しました。自民党の総裁選挙に立候補しないと表明したのです。新型コロナウイル対策に失敗し、万策尽きたうえでの政権投げ出しでした。
 9年にわたる安倍・菅自公政権が破たんした結果でもあります。国民の多くが反対した五輪・パラリンピックの強行やコロナ感染の拡大、医療崩壊と生活破壊に加え、気候危機に対する無策も深刻です。異常な高温や豪雨などが農業に甚大な被害をもたらし、口先だけの温暖化対策では第1次産業の基盤を守ることはできません。
 脱炭素社会化の遅れ、原発再稼動と放射能汚染水の放出決定、デジタル庁発足による国民監視、モリ・カケ・桜など政治の私物化と腐敗、辺野古埋め立て強行と日米軍事一体化の強まりなど、自公政権の失政は数え上げればきりがありません。

 生命と農業を守るための選択

 この自公政権を打倒するチャンスが、間もなくやってきます。総選挙の結果次第で政治は一変し、日本は大きく変わります。まさに、国の進路と農林水産業の命運をかけた歴史的な選挙となるでしょう。
 国民にとっては生命を守る選択になります。自公政権によるコロナ対策の迷走に終止符を打ち、いのちと暮らしを守ることのできる政治を実現しなければなりません。病気になっても医者にかかれず、自宅で死を待つような事態になると、一体だれが予想したでしょうか。
 先手の感染対策を講じ、ワクチン接種を進めながら医療体制への支援を強め、自粛に対してはきちんと補償するべきです。国民の声に耳を傾け、丁寧に説明して責任を取らなければなりません。最大の問題点は、問答無用の「官邸支配」によって政治への信頼が失われたことではないでしょうか。
 農業従事者にとっては農業と農村を守るための選択になります。安倍・菅政権はコロナ禍で生じた農産物需要の減少と価格低下を放置し、新自由主義に基づく産業基盤の脆弱性を露わにしました。この自己責任論に基づく農業破壊に終止符を打たなければなりません。
 とりわけ、外食需要の落ち込みや学校給食の中止などによるコメ需要の激減と米価の暴落は深刻で、コメ農家を絶望の淵に追い込んでいます。長年の農業破壊によって昨年の食糧自給率は過去最低の37%に低下し、過去5年間で農業従事者は46万人も減少しました。危機に瀕している日本の食と農を守るためには、もはや政権を変えるしかありません。        

 政権交代に向けての「一票一揆」

 今度の総選挙の最大の意義は、政権交代が現実のものとなるかもしれないという点にあります。市民と野党の共闘で自公政権を倒せる可能性が大きくなっているからです。立憲・共産・社民・れいわ4党の共通政策の合意によって、その可能性はさらに高まりました。
 この政策合意には、憲法、コロナ対策、格差是正、エネルギー転換、ジェンダー平等、行政の透明化など6本柱20項目の対策が提示されています。その中には、「農林水産業への支援を強め、食料安全保障を確保する」という項目もあり、この「政策を実行する政権の実現をめざす」とされています。
 このような政権は、市民と野党の共闘によって実現することができます。2016年の参院選では東北5県と長野・新潟の1人区で野党共闘の候補が勝利しました。これを上回る「東北の反乱」によって一票による「百姓一揆」を起こそうではありませんか。
 農民連と仲間の皆さんが政権交代に向けての「一票一揆」に立ち上がり、市民と野党の共闘の先頭に立たれることを期待しています。何よりも、日本の食と農を救うために。そして、破綻した農政と衰退しつつある農村を立て直すために。

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9月28日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』9月28日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「見せつけられた自民党の正体 誰が首相でも次の政権は短命」

 両政権のデタラメは、何一つ解決しちゃいない「モリ・カケ・桜」や、日本学術会議会員の任命拒否などの問題にとどまらない。

 各省庁の幹部人事権を乱用し、政治と官僚の距離感を大きくゆがめた「官邸の一極支配」。左遷人事におびえる官僚たちの間で首相の利益の最大化を図る忖度が横行し、官僚の手による公文書改ざんに行きついた「倫理観の堕落」。

 不祥事があっても嘘とゴマカシ、やってる感で目先を変える「説明しない政治」。集団的自衛権の行使容認の解釈改憲や、安保関連法などの成立に邁進した「戦争のできる国づくり」――。安倍・菅政治が残した「負の政治遺産」は数え上げればキリがないほどだ。

 4候補とも安倍・菅政治の見直しに口ごもる以上、両政権の「負のレガシー」を引き継ぐとみるのが、妥当だ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「国民の声に耳を貸さず説明もなく勝手に暴走を続ける。9年に及ぶ国民無視の独断専行がこのコロナ禍で顕在化。やってる感だけの後手後手対応で国民にノーを突きつけられ、安倍・菅両首相は2代続けて政権をブン投げたのです。主流派と非主流派が互いに国民の声を聞いて党内で牽制するなんて今や昔。各省庁も上だけを見て、下からの民意を吸い上げようとしない。一極支配で統治能力を失ったのは明白なのに、それと向き合う謙虚さと誠実さは4人の総裁候補からは感じられません。むしろ、決選投票が確実視される中、党内最大派閥を事実上支配する安倍前首相になびく動きさえ、活発化しそうです。いくら表紙をすげ替えても、1ページ目には〈この本を安倍晋三に捧げる〉との献辞文が出てくるようなもの。こんな目くらましで国民を騙せるとタカをくくっているのでしょうか」


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9月27日(月) 「活路は共闘」総選挙でも(その2) [コメント]

〔以下のインタビュー記事は『東京民報』2021年9月26日号に掲載されたものです。2回に分けてアップさせていただきます。〕

◇野党共通政策で決戦へ陣立てが

 ―総選挙を前に、市民連合と野党の共通政策が結ばれました。

 いよいよ総選挙という決戦に向けた「陣立て」ができ、あとは本気になって味方を増やし、結束を固めて国民にアピールするだけという状況がつくられました。
 2009年に自民党が惨敗して、民主党への政権交代が起こったときも、任期満了目前の総選挙で、直前の都議選で自民党が大敗しているなど、今年とよく似た状況でした。
 その際は300の小選挙区のうち148選挙区で共産党が一方的に候補者を取り下げ、一対一の対決構図をつくりました。
 それに対して今回は共産党を含む共闘が積み上げられ、共通政策の合意もつくられ、政権交代後の見取り図が明確になっています。市民と野党の共闘の実績もある。09年の時とは、政権交代に向けた準備の積み重ねも、草の根で支える力も段違いです。

◇未来がかかったかつてない選挙

 ―総選挙に向けて市民と野党の共闘の発展のために重要なことや、東京にとっての課題は。

 野党と市民連合の共通政策で、この「政策を実行する政権の実現をめざす」としている点が重要です。単なる選挙公約とするだけでなく、合意した政党が政権に加わって実現をめざす腹を固める必要があります。
 首都東京の課題は、「活路は共闘にあり」という都議選での戦い方と教訓、「東京モデル」を全国に発信していくことです。立憲野党が共闘すれば「リアルパワー」となって大きな力を発揮できる。それが、横浜市長選でも実証されました。
 都議選では、野党統一となった共産党候補がトップ当選した選挙区もあります。小選挙区で勝てるということです。これを総選挙でも証明してもらいたいと思います。
 同時に、都議選や横浜市長選の時とは、状況が大きく変化していることも直視しなければなりません。自民党は首相を変えて新しい「看板」でアピールしようとしており、メディアの大宣伝と「ご祝儀相場」で支持率も上がるでしょう。「敵失」や「追い風」頼りではなく、何があっても共闘を崩さず勝ち抜くという固いスクラムが重要です。
 今度の総選挙には、日本の命運と進路がかかっています。政権に挑戦し勝利すれば、新しい政治が始まる可能性がある。これほど大きな意義とやりがいのある選挙は初めてではないでしょうか。一票の重要さを自覚して、多くの人が投票に行き間違いのない選択をしていただきたいと思います。

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9月26日(日) 「活路は共闘」総選挙でも(その1) [論攷]

〔以下のインタビュー記事は『東京民報』2021年9月26日付に掲載されたものです。2回に分けてアップさせていただきます。〕

 自民党総裁選 ラベル替えても中身同じ

 菅義偉首相が総裁選不出馬を表明したもとでの自民党総裁選が、29日に投開票を迎えます。11月までに必ず行われる総選挙を前に、政治情勢の大激動が続いています。政治学者の五十嵐仁さん(法政大学名誉教授)に、緊急インタビューしました。

 インタビュー 菅辞任と総裁選

 ―菅首相の突然の辞任をどう見ていますか。

 最重要課題としていた新型コロナ感染拡大の阻止に失敗し、政権運営に行き詰まった結果で、当然のことだと思います。
 感染拡大の背景にあるのは、反対を押し切って強行した五輪・パラリンピックによってある種の「楽観バイアス」を広げてしまったことです。
 支持率がじり貧状態に陥り、このままでは選挙をたたかえないという「菅離れ」が自民党内で拡大した。これに焦った菅首相は二階俊博幹事長を外す役員人事で挽回を策したものの逆に反発を広げ、〝策士策に溺れる〟結果になりました。人事介入によって事態を打開するという菅さん一流の手法が、かえって破綻を招いてしまったのです。

 ―辞任は、安倍・菅政権の9年間の行き詰まりでもあると思います。

 今回の政権投げ出しには、長期・中期・短期の背景があります。
 長期的には自己責任論の新自由主義的政策を、自公政権はずっととってきました。ケア軽視で効率優先、医療や福祉に力を尽くさない政策を続けてきた結果、コロナ禍によって必要な人に必要な医療が届かない、とんでもない事態が生じました。
 中期的には、安倍・菅政権の9年間続いた、国民の声を聞かず、官邸支配で問答無用の独善的政治の過ちがあります。そのことは、コロナ対策でも、専門家の意見を聞かず、国民に説明をせず、責任も取ろうとしない姿勢として現れました。
 菅首相も、安倍前首相の「アベノマスク」などの迷走のように、科学無視で後手後手の対応という「コロナ失政」を継承しました。これが短期的な背景です。

 ―現在、自民党総裁選がたたかわれています。

 立候補者は安倍・菅政権を支えてきた人ばかりで、誰が選ばれても大きな変化はありません。いくら「ラベル」を張り替えても、ビンの中身は腐っています。中身ごと取り換える必要があります。
 かつての自民党は、総裁の交代で「擬似政権交代」のような形で目先を変えることができました。でも、今は派閥の違いがほとんどなくなり、結束力も弱くなっています。「安倍一強」に支配され、異論や反対する者の居場所がなくなったのが、現在の自民党の姿です。
 メディアは総裁選で大騒ぎしていますが、これは自民党のねらい通りで、新内閣誕生で支持率が高いうちに衆院選になだれ込む戦略です。メディアへの批判も重要ですが、支持率が一時的に高まるだろう新政権とのたたかいを覚悟して、野党は準備しなければなりません。

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9月25日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』9月25日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「河野もカラっぽだが、岸田・高市連合も“無節操の極み”」

 政策度外視の党内力学で勝者が決まるのか

 「今回のバカバカしい総裁選でハッキリしたのは、自民党は安倍前首相の支配から脱却できないという現実です。脱原発や女系天皇容認論などをブチ上げて自民党の異端児だった河野氏は、安倍氏への配慮から総裁選では持論を封印。政策論争もはぐらかしてばかりでキレがない。岸田氏も憲法改正や敵基地攻撃能力など、まるで安倍氏が乗り移ったような発言を続けていて、本当にハト派の宏池会の候補なのかと耳を疑ってしまう。高市氏にいたっては安倍氏と一心同体と言っていいほど主義主張が同じで、ウルトラ右翼の高市氏が急速に支持を拡大していること自体、自民党がもはや国民政党ではなく、安倍政権下で極右政党に変質したことを物語っている。この総裁選は本来、長く続いた安倍菅政治の功罪を検証し、歪みを正す機会になるはずだったのに、みんな安倍氏の顔色をうかがって“モリカケ桜”などの疑惑にも切り込まない。安倍支配の歪みの中で行われている選挙なのです」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 米紙ワシントン・ポストも「総裁選の勝者は安倍晋三だ」と書いていた。総裁選でどの候補が勝利しても、安倍の存在感が高まるというわけだ。

 そうやって、こぞって安倍に色目を使った結果、争点がボヤけて、1回目の投票では誰も過半数を得られずに決選投票にもつれ込むとみられている。そうなれば、2位・3位連合で岸田陣営と高市陣営が手を結び、岸田が勝利するというのが大方の予測だ。自力では1位になれない岸田が、総理総裁の椅子に最も近いとみられているのも変な話だ。

 若い河野総裁で世代交代が進むことを嫌がるお歴々や、河野支援に回った石破元幹事長を嫌う安倍への忖度、誰が総裁なら自分が当選できるかと考えをめぐらす選挙に弱い議員たち……。自分たちの延命しか頭にないのが今の自民党議員であり、要するに権力亡者の寄せ集めだ。

 「大メディアの協力もあって、総裁選で候補者が政策議論を戦わせているように見えますが、誰が新総裁になっても自民党政治では何も変わりません。自民党は河井夫妻の買収事件に関して、総裁選のドサクサに紛れて党本部から提供した1億5000万円は買収事件に使われていないと発表しましたが、カネに色はついていないし、窃盗犯が無罪を訴える報告書に共犯者がお墨付きを与えるような調査結果に国民が納得すると思っているのでしょうか。モリカケ桜や河井夫妻の事件など、安倍長期政権で澱のようにたまった不正の真相は、政権交代しなければ検証できません。アベノミクスと対米追従で日本がどれだけ国力を失ったかも考えなくてはいけない。有権者は総裁選のバカ騒ぎに惑わされることなく、冷静な目で見定める必要があります」(五十嵐仁氏=前出)

 国民にとっては、本当の勝負はこの秋の衆院選だ。私利私欲の政治を終わらせるには、総選挙で自民党を下野させる以外にない。

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9月23日(木) 共闘の力で野党連合政権の実現を [論攷]

〔以下の論攷は、『北区革新懇ニュース』第88号、2021年9月20日付、に掲載されたものです。〕

 突然の政権投げ出し

 菅首相の退陣は、世論によって追い詰められた結果です。万策尽きた末の政権投げ出しにほかなりません。新型コロナウイルスの感染拡大に対して、国民の健康と命、暮らしと営業を守ることのできなかった末路でもあります。無為・無策で無能・無責任、逆行と迷走を繰り返してきた菅首相の退陣を歓迎し、喜びたいと思います。
 しかし、菅首相の退陣によって、すがすがしい朝を迎えられるというわけにはいきません。自公の枠組みに変わりがないからです。ラベルを張り替えてもビンの中身は腐っています。誰が後継者になっても、自公政権であるかぎり希望の政治を実現することはできません。
 報道は自民党総裁選ばかりで「メデイア・ジャック」とも言うべき様相を呈しています。自民党は華々しい権力闘争で注目を集め、サプライズを演出して支持率を高めようと狙っていますが、それは「泥船の上での茶番劇」にすぎず、誰が「船長」になっても沈没は免れません。いま必要なのは沈む危険性のない頑丈な「船」を作り、船そのものを取り替えることではないでしょうか。

 連合政権樹立のチャンス

 来る総選挙は日本の命運を決する歴史的なものとなります。市民と野党の共闘によって、もはや「時効」となっている「自公」政権を倒し、野党の連合政権という「新しい船」をつくらなければなりません。その最大のチャンスが間もなくやってきます。
 もはや耐えられないほどに政治は劣化し、怨嗟の声は満ちています。各政党の支持構造の地殻変動も明らかになりました。自民党支持層の瓦解、政党支持なし層の増大と左傾化も生じています。しかし、与党離れが顕著でも野党への支持が増えているわけではありません。それは明確な「受け皿」と展望が示されていなかったからです。
 このようななかで、市民連合を仲立ちとして立憲・共産・社民・れいわ4党の政策合意が実現しました。政権交代にむけての「受け皿」が姿を現し、決戦に向けての陣立てが整ったことになります。この合意を政権のレベルにまで高め、野党の連合政権を実現しなければなりません。
 北区革新懇と東京12区の皆さんが池内さおりさんを野党統一候補として国会に送り出すことが、その第一歩です。小選挙区で共産党候補を押し立てて選挙に臨み、当選をめざせる選挙区はそれほど多くありません。東京12区はそのような数少ない選挙区の一つです。
 これほどやりがいのある選挙があるでしょうか。そのような選挙に取り組める皆さんは幸せです。政権奪取の気概を込めてダッシュしましょう。何としても池内さんを国会に送り込み、ジェンダー平等の旗手として活躍してもらおうではありませんか。
 池内さんを国会へ。女性の地位向上と差別解消の願いを込めて。連合政権による「新しい政治」への大きなうねりを、首都・東京の北区から生み出すために。


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9月19日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』9月19日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「総裁選4候補の政策を検証する 舌先三寸か打ち上げ花火か」

 今回の総裁選も、誰が新総裁になっても自民党の腐敗堕落した体質は変わらない。自民党を変えるためにはアベ政治を否定する必要があるのに、河野、岸田の本命2人が、キングメーカーの安倍晋三に恭順の意を示しているのだから話にならない。

 河野太郎は「自民党を変え、政治を変える」をキャッチコピーにしているが、安倍の顔色をうかがいながら一体なにを変えるというのか。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「総裁選を利用して権力を維持するのは自民党の十八番ですが、それでも、かつては金権政治の田中内閣からクリーンな三木内閣へと代わったように、振り子の理論が働いていました。常に主流派と反主流派が存在し、主義主張の違う主流派と反主流派が入れ替わることで、“疑似政権交代”が起きていた。でも、いま行われている総裁選はどうですか。もし、この8年間、安倍政治を批判してきた石破茂元幹事長が総裁選に出馬し、新総裁に選ばれるのなら、疑似政権交代とも言えるでしょう。でも、石破氏は総裁選にさえ出られない。劣化した自民党は多様性も柔軟性も失い、もはや“疑似政権交代”さえ演出できなくなっています」

 9月29日に総裁選が終わった後、時間を置かずに衆院選が行われるはずだ。

 誰が新総裁になろうと、有権者はアベ政治に決着をつける選挙だということは忘れてはいけない。


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9月18日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』9月18日付に掲載されたものです。〕

*記事「原発ムラが「河野太郎氏は絶対NO」と包囲網 経済界と族議員の“抵抗運動”が自民職域党員にジワリ」

 河野太郎行革担当相が積極的な再生可能エネルギー拡大やカーボンニュートラルをめぐっても、水面下で経産省と産業界が連携し、「エネルギー基本計画」の改定に向け“抵抗運動”を進めている。

 こうした経済界の要望に国会議員らも反応。「原発のリプレース(建て替え)推進議員連盟」がおととい、急きょ会合を開き、総裁選への対応を確認した。

 さながら、原発ムラの河野包囲網、といった様相だ。

 経済界や族議員の動きは、業界団体で組織される職域支部の職域党員の判断に大きく影響する。職域党員は自民党員の約4割ともいわれる。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「自民党はかつては、地方や農村などを大事にする土着保守で、全国に実益を与え、多くの国民の支持を得ることを目指す政党でしたが、農業を切り捨て、大企業に依存しなければ成り立たない政党になってしまいました」

 原発ムラの影響を受けるのは職域党員だけじゃない。衆院選を間近に控える衆院議員や来夏の参院選を意識する参院議員らも、政治献金や選挙の集票マシンとしてムラの世話になる。自主投票となった議員票の行方も左右しかねない。

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9月16日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』9月16日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「顔のすげ替えは自民党のお得意 疑似政権後代に騙されるな」

■小泉フィーバーの「負の教訓を忘れるな」

 後手後手に回った新型コロナ対応もそのまま。いや、より混乱を招く恐れすらある。

 「迷走ワクチン行政に自画自賛の河野大臣が、総裁選の最右翼なんて悪い冗談です。敵に勝てなかった部隊長を、総司令官の敵前逃亡で空いた後釜に抜擢するようなもので、絶対にうまくいくはずがありません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 まさにどんぐりの背比べ。しょせん、コップの中の争いを針小棒大に伝えるメディアも、どうかしている。

 賢明な有権者は今こそ20年前を思い返して欲しい。小泉政権の誕生で日本はどうなったか。新自由主義の権化のような竹中平蔵氏を重用し、構造改革や規制緩和など大企業に有利な効率化がはびこり、格差は拡大。ブッ壊したのは大半の人々の生活ではなかったか。

 「タカ派からハト派、金権からクリーンへと表紙だけ張り替え、国民の目を欺き、政権の座は決して譲らない。この疑似政権交代こそ結党以来の自民のトリックです。世論調査をみると、有権者の多くはアベスガ路線の継承を望んでいない。その実現には真の政権交代が一番の近道。このコロナ禍では次の総選挙の結果によって、命や生活が失われかねないと国民は自覚すべきです」(五十嵐仁氏=前出)

 いい加減、自民党のお得意パターンに騙されてはいけない。

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