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9月4日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』9月4日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「追い詰められた無能首相 ブン投げ辞任に至るデタラメの数々」

■根拠なき自信で差し出す「毒まんじゅう」

 自分の言葉でしゃべれない、発信しない、何をしたいのか分からない。昨年の総裁選のように「雪深い秋田の農家の長男に生まれ……」だけでは今回は乗り切れない。周囲が危ぶむ気持ちは日増しに強まる一方だったが、自分が見えない菅は「根拠なき自信」にあふれていた。党役員人事などの刷新で事態が変わると思っていたフシがある。

 「俺は勝負に強い」「俺には指導力がある」「総裁選をやれば携帯電話料金値下げなど成果を示せる」「誰が俺に勝てるんだ」――。漏れ伝わってくるだけでも、周囲にそう語っていたという。

 まるでお宝鑑定番組で偽物をつかまされたことに気づかず、「自己評価額は1000万円!」と言い張り、恥をかくオジサンと同じだ。

 菅が敗れれば、新総裁の下で人事は改めてやりなおしになる。数週間の短命に終わりかねない「危ない橋」だ。党内のドン引きも意に介さず「皆、俺についてくる」と言わんばかりの錯乱首相と心中するモノ好きが、はたしているのか。メディアは人事の目玉として月曜から4日連続で官邸に呼び出された進次郎、河野ワクチン担当大臣、石破元幹事長らの名を伝えるが、彼らにしても「いい迷惑」だろう。水面下で打診され、断った可能性がある。こうして菅の万策は尽きた可能性がある。

 「今なお菅首相が『人事で釣れる』と思っているのが大きな勘違いなんですよ。打診を受けたら、ポスト欲しさに『毒まんじゅう』を食べたと有権者に見なされ、後々まで禍根を残す。最悪、政治生命はオシマイです。総選挙を控え、そんな賭けに出られるのは、よほど選挙に自信があるか、菅首相と同じギャンブラー気質の議員だけでしょう。菅首相の楽観バイアスの極みのような新人事の狂騒曲に、このコロナ禍で党内抗争に入れ揚げている場合か、と国民は冷めた目で見ています」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 国会召集そっちのけで進む世にもバカげた新人事。どうして自民党は菅を羽交い締めにして引きずり降ろさないのか、摩訶不思議だったが、ようやく、菅も諦めた。


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