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10月3日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』10月3日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「闇支配を断ち切れるのは選挙だけ 岸田執行部人事の情けなさ」

 しかも、朝日新聞や読売新聞によると、甘利新幹事長は就任前から幹事長として振る舞い、高市政調会長や河野広報本部長に電話をかけては、人事を発令していたというから前代未聞である。いったい誰が任命権者なのかという話である。

 さらに、官房長官人事をめぐっては、いったん岸田新総裁が決めた人事がひっくり返されている。細田派から「幹事長か官房長官は細田派に任せてもらいたい」と要求されたため、安倍側近の萩生田光一文科相の起用を決めて細田派に伝えたが、細田派内から「衆院当選5回で官房長官は時期尚早だ」との声が上がり、当選7回の松野を起用することになったというのだ。複数のメディアが伝えている。しかし、トップが決めた人事なのに「これはダメだ」と突き返され、「はい、わかりました」と唯々諾々と受け入れるのは、ありえないことだ。

 政調会長に就いた高市の処遇についても、安倍の意向を事前に確認したという。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「メディアが伝えていることが事実だとしたら、岸田新総裁はあまりにも情けない。スタートする前から巨大派閥に振り回されている。本人は“岸田は変わった”と宣伝していますが、やはり、胆力のなさ、気概のなさ、気弱さは変わっていないのでしょう。しかし、政調会長の人選まで他派閥に押し込まれたら、自分のやりたい政策だって実現しづらいはず。岸田政権は、いまから先が思いやられます」

 2週間続いた総裁選でよくわかったことは、安倍・麻生・甘利の“3A”が支配している限り、自民党は絶対に変わらないということだ。

 河野本人の資質に、問題があったのは事実だが、「核燃料サイクル政策」の見直しや、「年金制度」の抜本改革を訴えた河野が集中攻撃されたのは、既得権益を壊すことを“3A”を筆頭する連中が許さなかったからだ。

 「世論調査でも党員投票でも、自民党の総裁候補のなかで支持を集めていたのは河野さんでした。目の前に衆院選が控えているのだから、普通の感覚なら河野さんを新総裁に選出するのが当然です。でも、議員票は3位に沈んだ。やはり、既得権益を壊そうとした河野太郎は、自民党にとっては“劇薬”なのでしょう。自民党は、ますます国民意識と乖離する政党になっています」(五十嵐仁氏=前出)

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