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10月8日(金) 野党共闘で新しい連合政権の実現を [論攷]

〔以下の論攷は、『全国商工新聞』第3477号、2021年10月4日付、に掲載されたものです。〕

命と暮らし、商売守る選択 自己責任政治と決別しよう

 コロナ失政での政権投げ出し

 菅首相が退陣を表明しました。新型コロナウイルス対策に失敗した末の政権投げ出しです。国民の多くの反対を押し切って五輪・パラリンピックを強行して感染の爆発的拡大を招き、10万人を超える自宅療養者を出すほどの医療崩壊を引き起こし、万策尽きての自滅でした。
 有効な対策を打ち出せず、後手後手の対応と迷走を繰り返してきました。無能で無策な政権の姿に失望し、飲食業をはじめとした業者が目の敵にされ「商売あがったり」で苦労された方も多かったにちがいありません。
 政治のあり方や政権の対応、政策の是非が、これほど身近に感じられたことはなったのではないでしょうか。同時に、無責任な菅首相の進退にも唖然とされたことでしょう。コロナ対策に「明かりが見え始めた」と言った直後に、「コロナ対策に専念するため」と言って逃げ出してしまったのですから。

 いのちと暮らし、商売を守るための選択を

 菅退陣後の自民党総裁選びが行われています。しかし、みな安倍・菅政権を支えてきた人たちで、誰が後継者になっても「同じアベのムジナ」です。表紙を変えても、安倍・菅自公政治という枠組みに変化はありません。ラベルを張り替えても、腐った中味はそのままなのです。総選挙で政権交代を実現し、ビンそのものを取り換える必要があります。
 今度の総選挙は、第1に、命と暮らし、商売をまもるための選択となります。病気になっても医者にかかれず、自宅で死を待つような社会や、政府のひと声で商売の道が閉ざされるような世の中が来ると、一体だれが予想したでしょうか。営業自粛や酒類の提供自粛などお願いを繰り返すだけで、事業者を救うための施策は全く不十分です。
 国民の声に耳を傾け、丁寧に説明して責任を取れる、まともな政権を実現しなければなりません。そのためには政治への信頼回復が不可欠です。専門家の言うことに耳を傾けず、楽観論ばかり振りまいて犠牲を押し付けるような政権とはおさらばしましょう。
 第2に、安倍・菅政治を始めとした自公政権の総決算でもあります。新自由主義的な効率優先でケア軽視の自己責任政治のツケが回ってきました。問答無用の「安倍一強」政治による独善的な政治、「モリ・カケ疑惑」や「桜を見る会」など政治の私物化と腐敗も目に余るものがあります。
 加えて、気候変動危機に対する無策、原発再稼動と放射能汚染水の放出決定、デジタル庁発足による国民監視、ジェンダー不平等の放置、沖縄県民を無視した辺野古埋め立て強行、米政権言いなりの軍拡と日米軍事一体化など、自公政権の失政は数え上げればきりがありません。その全てと決別し、根本から転換する絶好の機会が今度の総選挙なのです。

 力を合わせてこそ政治は変えられる

 その最大の意義は、市民と野党の共闘で政権交代に本格的に挑戦する初めての選挙だという点にあります。そのための「陣立て」と「見取り図」はできあがりました。市民連合を仲立ちとして6柱20項目の政策が、立憲民主・共産・社民・れいわ新選組の4党によって合意されたからです。
 2009年の総選挙でも自民党が惨敗して民主党中心の連立政権ができました。今年と同じ任期満了前の選挙で、直前の都議選でも自民党は大敗しています。共産党は半数近くの小選挙区で候補者を取り下げて「1対1の構図」づくりに貢献しました。
 しかし、今回は共産党を含む共通政策での合意がなり、草の根での共闘の実績を積み重ねてきています。「風頼み」ではなく、準備が整ったうえで総選挙を迎えるという点で大きな違いがあります。
 政権合意では、この「政策を実行する政権の実現をめざす」としている点も重要です。これを選挙の公約とするだけでなく、各党が政権に加わって「実現をめざす」ものとしなければなりません。力を合わせてこそ、政治は変えられるからです。
 ここで警戒しなければならないのは、維新の党の動向です。総選挙の結果、自公で過半数を割れば維新が「助っ人」に駆けつけるかもしれません。これまでも野党の顔をしながら実は与党を助ける行動をとってきました。自民党以上のタカ派で新自由主義に凝り固まっています。「改革」のように見えて実は行政と生活、福祉や医療を「破壊」してきたことは、東京以上のコロナ感染拡大で医療ひっぱくを招いた大阪の実状を見れば明らかです。

 大きな意義とやりがい

 来る総選挙では、真に現状を改革し、新型コロナ感染の拡大によって危機に瀕している業者さんなどの命と暮らし、仕事と生業を守ることのできる政党と候補者を選ばなければなりません。これからの日本の進路と命運がかかっている重大な選挙になります。
 これほど大きな意義があり、やりがいのある選挙はあったでしょうか。まさに千載一遇のチャンスです。政権に挑戦し、共産党が協力する連合政権ができれば、全く新しい政治の可能性を開く画期的な時代が始まるのですから。


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