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12月18日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月18日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「国のデータ偽装はもうオシマイ 必要なのは自民党政治との決別」

 統計改ざんは、統計法に抵触するれっきとした犯罪である。6月以下の懲役または50万円以下の罰金を科せられる。

 なぜ、危険を冒してまで国交官僚は改ざんに手を染めたのか。GDPをかさ上げして「アベノミクス」が成功しているように見せるためだったのではないか。改ざんの8年は、アベノミクスの8年とピタリと重なるのだ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「アベ政治の8年間で大きく変わったのは、霞が関に“忖度文化”が蔓延してしまったことです。以前の官僚には“国家を支えているのは自分たちだ”という矜持があり、“不正なんて冗談じゃない”と突っぱねる気概があった。でも、8年も続いた安倍1強によって、政権にマイナスになるようなことは、たとえ不正でも、隠したり、捨てたり、書き換えるようになってしまった。財務省は、安倍夫妻を守るために公文書まで改ざんしています。やはり2014年に内閣人事局が設置され、官邸に人事権を握られたことが大きかったと思います」

 時の権力者を守るために官僚が平然と公文書を改ざんしたり、政策の失敗を隠すために統計データを書き換えるなど、欧米先進国ではあり得ないことだ。このままでは、日本は本当に三流国に転落してしまう。

 危機的なのは、公文書が改ざんされたり、経済データが書き換えられても、自民党議員の多くが驚かなくなっていることだ。当たり前のような顔をしている。恐らく、国交官僚による統計データの改ざんも、誰が命じたのか、誰が悪いのか、真相はウヤムヤになり、誰も責任を取らずに幕引きされるはずである。

 8年間のアベ政治によって、自民党は上から下まで腐敗堕落し、完全に感覚が麻痺している。もはや、表紙を替えたくらいでは、自民党に染みついたアベ政治は変わらない。いま必要なことは、腐り切った自民党政治との決別なのではないか。

 「岸田首相の本質は、安倍元首相とまったく同じです。驚いたのは、公文書の改ざんを命じられて自死した近畿財務局職員の妻・赤木雅子さんが政府を訴えていた裁判を、政府が“認諾”する形で裁判を打ち切ってしまったことです。赤木雅子さんは、真相解明を望んでいたのに、関係者の証人喚問の前にいきなり裁判を打ち切ってしまった。1億700万円という賠償金を払ってでも、真実解明に蓋をした格好です。どこが“聞く耳”なのでしょうか」(五十嵐仁氏=前出)

 戦前の日本は、データを改ざんし、絶対に勝てないアメリカと戦って国を滅ぼしてしまった。国が数字を書き換えるようになったら、もはや末期的である。一刻も早くマトモな政権に変えないといけない。

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