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1月12日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』1月12日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「米軍基地周辺で感染拡大 これは歴代自民党政権の大罪だ」

■感染急拡大があぶり出す「加害」への無自覚

 言うことを聞く者には権力もカネも授け、逆らう者は冷遇される──。まるで植民地の選別政策のような薄汚い手口で、人心の分断を図ってきた歴代政権に、沖縄以外の世論は怒らない。

 14年に移設に反対する「オール沖縄」勢力の翁長雄志知事の誕生以降、19年の県民投票などで繰り返し「辺野古ノー」の民意を示しても、逆に本土の民意はずーっと自民党を勝たせ続けた。

 国政選挙の大勝を盾に自民党政権は沖縄の民意を一切、無視。さすがに県民も「国がやっていることに何を言ってもダメ」とあきらめを感じ、「だったら国からお金が落ちてきた方が」という空気に流されてしまうのも無理はない。それこそが、国家権力あげての切り崩し工作の狙いだとしてもだ。

 各種の世論調査で国民の8割は日米安保維持に賛成している。日本人の大半が国内に米軍基地が存在することに恩恵を感じているのに、その恩恵への負担をたった1%強の沖縄県民に肩代わりさせてきた「加害責任」を痛感している人々はどれだけいるだろうか。

 沖縄への基地固定化の被害に本土はあまりにも無自覚すぎる。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「沖縄の感染急拡大は米軍のせいだけではありません。今回の一件があぶり出したのは『構造的差別』と言うべき状況を押しつけてきた歴代自民党政権とその問題に無関心な本土の『大罪』です。いい加減、本土の人々は沖縄の痛みをわが痛みのように受け止めた方がいい。それこそがマトモな日本を取り戻す最低条件。少なくとも、23日投開票の名護市長選は本土から『オール沖縄』陣営に熱烈なエールを送るべきです」

 在日米軍の傍若無人に責任転嫁している限り、沖縄の構造的差別は絶対に消えない。


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